統合失調症と連合弛緩
連合弛緩の連合とは会話に於ける連想を示し、従って総意は連想語句の弛緩(緩み)を意図した症状です。
具体的には話す内容の展開(内容に沿って深く探求する)が乏しく話が単発的もしくは次々と話題が変化して前後脈略の無い話への脱線、内容の肥大化・累積化し最終的に話の内容が解体され支離滅裂に陥る状態です。
例えば接続詞が過度に使用された長文にありがちな主語と述語とが結び付いていない文章と類似します。
『不条理ギャグ』とは支離滅裂、起承転結の順序及び、総じて解釈不能な喜劇マンガを示唆する様です。
作者本人が罹患者であるかは不明ですが、思考解体型ストーリー?として一つのジャンルに収まっている様です。
一般的に対話とは最低2人以上で話のやり取りで成立します。
従って連合弛緩を患っている罹患者との対話は外形上、一方通行の語り掛けという形に成ります。
自閉症状が長期間の持続、ないしは治療放置されていた状態では、話し相手が自ら生み出した脳内に潜む「他者」であり、罹患者の立場に立てば、以心伝心を前提とした対話様式でなる為、連合弛緩は合理的で情報量に満ち溢れた自己完結型対話として成立してしまい、現実存在との対話に反映される様に思えます。
老人
国際基準では単発症状として認知症を正式定義はされません。
アルツハイマーやパーキンソン病など個々の特異な症状単位で分類され統合失調症の症例も含め、他の症状との複合作用として結果的に認知症に相当する様な捉え方をしています。
高齢者に限り、認知症の症状は観られず妄想・幻聴の症状が際だって生じる症状を老人性精神障害(統合失調症)と定義されます。
主に妄想内容は窃盗妄想を初め、近しい周囲の人や家族からの被害妄想が概ね共通します。
他に老人特有な症状として誇大妄想・嫉妬妄想が挙げられます。
幻聴内容は主に物音・打音などのノイズを訴えるケースが多く、その他、何かの物音や聴き取れない話が自らへの悪口に聞え、関係被害念慮を進行させます。
しかし言語障害や学習障害とは異なり言語明瞭で意思疎通にも特段齟齬を発しない為、運動機能も正常であれば徘徊し妄想や幻聴内容を赤の他人に吹聴します。
より深刻な場合、妄想上のDV告発等で警察沙汰に成る事もあります。
抜本的解決は在りませんが、生活環境内で認知症への理解が多少得られていれば比較的適切な対応が可能に成ります。
浪費
基本的に浪費という行為と統合失調症の症状としての因果関係は特定されていません。
敢えて、陽性症状の時に於いて行動範囲が広がり又、行動も大胆に成る為、浪費はそれらの副次的な派生症状の可能性が在ります。
統合失調症では予後に於いて抗精神薬の服用効果で概ね陰性症状が常態化します。
従って買い物や娯楽には無関心(無為自閉)的な状態が維持されます。
従って罹患者が高齢な場合は浪費や無銭購入(窃盗)は認知症の可能性が高いと思われます。
レベル
平均的な予後のプロセスの図があります。
横軸の下にある症状は「急性期」「消耗期」「回復期」と3期に分類されています。
家族など周囲に於ける発病認知が急性期である為レベル2という位置付けに相当します。
これとは別にレベル1は通院ないしは入院以前の症状で「前駆期又は前兆期」と呼ばれます。
又、意味合いが同一でも専門医によって微妙に表現が異なる場合が多く、例えば「消耗期」を「安定期」と表現される事もあり、「回復期」を「安定期」と表現される事があります。
しかし共通的な特徴は「回復期」「安定期」の症状が極めて長期間に及び総じて起伏が緩慢です。
極めて突発的な事故的要因「揺り戻し」以外は安定し緩やかな回復が見て取れます。
又、大凡の完治した状態を「完治」と表現する事も在りますが、統合失調症での回復目標を正常値での安定維持「寛解」と表現する事もあります。
脳とその精神構造は尚、未解明な所が多く解釈に誤差があります。
将来に亘って修練され今日の解釈が改変される可能性も否定出来ません。
精神学会による国際標準基準DSM-Ⅰ以降、幾度か改変され今日でも継続されています。
大きくはDSMⅠ~Ⅴに分類されています。
時代を追う毎に臨床上の蓄積・改変・症状へのアプローチの仕方など細分化・複雑化しています。
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