トップページ >> くも膜下出血の症状 >> くも膜下出血のスパズム期とその症状について

くも膜下出血のスパズム期

くも膜下出血になった時に、2次的な病気として起こる可能性が高いのが、くも膜下出血のスパズムと言います。
このスパズムは脳血管攣縮といいます。
今回は、この脳血管攣縮と症状、対処法、確率に関して紹介いたします。

血管攣縮という症状は、脳血管が本来ある血管径の幅に比べて径が細くなり血流が減少してしまう症状です。
この症状が発症する原因は、はっきりとしたメカニズムは解明されていないのですが、現在のところ仮説が成り立ってます。
その仮説は、くも膜下出血によって生じた血液の血液成分のヘモグロビンが分解して成分に大きな変化が現れます。
つまりこの変化した物質が、血管外に出ることによって、血管の拡張に作用する物質を分解してしまうのです。
その結果、血管の径が著しく狭まってしまうのです。
そして、こうした状態が続いている状態をスパズム期と言います。
このスパズム期はくも膜下出血の重症度と大きな関係があり、破裂によって血液が著しく溜まっており、昏睡している場合はこうした症状が現れやすくなります。

また、回復期で血液が残っている場合、血流の減少によって頭痛が発生することが知られています。
そうした意味でも、このスパズム期の症状の期間を短くして、早い回復を望む必要があるのです。

くも膜下出血のスパズム期の対応

くも膜下出血でのスパズム期の諸症状で一番多いのは頭痛です。
この頭痛は、血管が必要以上に収縮することによって出る痛みで、この痛みは通常の頭痛と大きく異なります
通常の頭痛の場合は、こうした症状は基本的に長時間続かないのが大きな特徴です。
痛くても一時的な交感神経の刺激によって生じる痛みなので、こうした痛みに関しては生じても数分で治まることがあったり、痛みに波があるのが大きな特徴です。

このくも膜下出血によるスパズム期の痛みは、こうした波のあるような痛みではなくて、頭部に針をさすような痛みが長時間続きます。
これは部分的な箇所に、血流が通らないためでこうした現象が起こるのです。
昏睡状態でも対応は重大ですが、外部の刺激によるくも膜下出血の場合はこうした症状が起こることが知られています。
ですので、出血が少なかったといって、症状が無いということを見過ごさないことが大切なのです。

頭痛
スパズム期の痛みは通常の頭痛と大きく異なります

では、この状態が発生した場合の対処はどうするのかというと、出血した血液によって脳閉塞にならないように、脳にたまった血液を出さないように取る手術を行います。
その方法は、カテーテルで血管内の血液を溶かす薬剤の投与や血管の拡張をする処置を行います。 くも膜下出血のスパズム期の症状は、くも膜下出血の処置後日目くらいから15日目位までが多いとされ、厳重な処置が取られます。

一般的には、血流をできるだけ増やすために血圧管理、点滴量の調節、患者体重の厳密な維持を行うのが基本ですが、薬剤による副作用も大きいので注意も必要です。

まとめ

くも膜下出血のスパズム期とは、血管が必要以上に萎縮してしまい頭に頭痛を起こす症状です。
この時、脳から血液が出て分解された成分が血管を萎縮させてしまいます。
くも膜下出血の発症後5~15日に起こるとされ、外傷性のくも膜下出血でも起こることが知られています。

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