うつ病と芸術(絵)の関係性

芸術

絵を通しての物事への見え方

良い事柄は過小に、悪い事は過大に見える(思い込む)また、悲観的な固定観念が強固で回避し難い。
パニック系の場合は記憶や考える事が出来ない為、その間は時間経過の喪失(思考停止)、悲壮感、自己肯定感が乏しく過小評価、生存権の否定など執拗に自分自身を追込むコンセプトを模写した自画像。
もしくは自分自身が置かれている境遇をホラー系のオドロしく演出し表現した作品がネットには象徴的に出展されています。

特にネット掲示板など投稿されるうつ病に限らず精神疾患等を対象にする表現方法は、普通の第三者が共有できない不気味な表現や、メルヘン的で狂おしい表現が露呈されています。
社会的暗部との融合を晒す手法も多用されています。

芸術療法

先例とは逆に治療の一環として絵画を導入する方法もあり、最近でも日本でも徐々に採用されている様です。
初めて導入したのはオーストラリアの精神医学会が所蔵してあった患者が描いた絵画30点余りの展覧会を開いた事がキッカケに成りました。

症例

30歳代の女性が死産しそれが原因でうつ病に成りました。
絶望と罪悪感に囚われた中で明け暮れる毎日でしたが、ある日かつては趣味の一つだった絵を描こう云う考えが芽生え、自らの手の中で静かに眠る赤ん坊の絵を描き、自身の正直な気分、喪失感を表現する事でうつ病の症状が改善されたと言われています。

このケースは言葉ではなかなか正確に表現できないモヤモヤした気持ちを率直に可視化する事によって自己認知や他者へ上手に伝達する事が出来た事への充足感が回復に導いたとも考えられます。
絵に限らず音楽など芸術を採用する事は他者との関係構築の上有効であり、更に上手く表現できた場合は病気の実態を周囲の他人に理解させ、動かす事もできます。
この様なメリット、治療効果を挙げる事が可能であると国立精神・神経医療研究センターの竹島正部長は肯定的に受け止めています。

芸術
実体験者の意見

ある罹患者の体験談によると入院養療中には特別すべき事も無く、今現在の事柄より先々の事などどうにも成らない事を悲観的に考え焦燥感と絶望感に駆り立てられる事が多く、意気消沈した状態が新たな不安や不幸を自ら創作してしまう悪循環に陥っていました。
あくまで気晴らしで紙片の裏側に落書きを試みると、知らず知らずに作業に気持ちが向かいモヤモヤした気分から一時的にも解放出来たと証言しています。
徐々に絵に向ける時間が増加するに従い、余計な事によって、不安や不幸の再生産する事も減少し精神的な負荷が減少するに至ったと証言しています。

紙切れに簡単な落書きする事から画材屋に赴き本格的な道具を揃えて絵画作成に至るまで方法論的には何れも有効です。
しかしこの方法にも限界はあります。
あくまで余計な事柄への感心を別の対象に没頭(麻痺)させる事であって1種の対処療法です。
従って本来目的とされる寛解状態に導く治癒とはニュアンスが異なります。

また、、絵画に一切興味が無い人または絵心がない人にとっては描く事自体に没頭する事なく寧ろ、強制的な労力によって精神的負荷に至るケースも否定出来ないと思われます。
この様な人は上手に描く事(学校教育でのトラウマなど)に強迫観念が先にあり、本質的に好き嫌いとは別に描く事に罪悪感や苦手意識を持つという人の場合は如何なる制約を設けず自由に描かせ、表現したいものを自発的に描かせる事が治療効果をあげると思われます。
従って、うまく描く事ではなく描く事自体楽しむ事に重点が置かれているとも言えます。

災害で多大な被害を受けた場合、年少者は一時的な興奮状態の後、高い確率でうつ症状や不安症が現れます。
この様な状況で子供などに絵を描かせる事で秘めている不安や恐怖を吐き出させる事で、心の痛みを緩和効果があると実証されており、うつ病治療にも一定の効果を有すと考えられます。

うつ傾向度

「うつ病」「うつらしい人」とは根本的に異なります。
傾向度は単に今現在の心情を指し示す度合いではありません。

何らかの要因(内因性または外因性により)病として罹患し易いか否かを判定する尺度です。
何かまずい事があったりすると、誰でも意気消沈し、むしろ正常です。
逆に苦痛に際しても平然としている方が異常であり双極性障害上での傾向度が高いと思われます。
その進行が統合失調症という病気に変化する症例もあります。

手短な方法はweb上うつ病チェックと同じで幾つかの設問に対する答えを選択し、最後は自動集計されうつ傾向度を算出します。
精査が必要な場合は専門家(精神科医)に診察してもらう必要があります。

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