てんかんの治療

てんかんの治療は、まず薬、薬では抑えられない場合は手術という手段があります。
多くは薬で発作は抑えられます。
現在の抗てんかん薬の作用は、てんかんの原因を治すというより発作を抑制することが主です。
てんかんは、内服薬を適切に飲み、生活習慣を良好に保てば、ほとんどの人が発作が起きることはありません。
一定期間、一定量の薬を毎日一定の時間帯に、年単位で服薬し続けることです。

薬の効果

  • 脳の神経細胞の電気的な興奮を抑える
  • 脳が異常な活動をしないように抑える
  • 興奮が他の神経細胞に伝っていかないようにする

てんかんの薬は種類が多いので、どれがその人に合う薬かを選ぶ基準として、てんかんの発作型と分類によって、ガイドラインに沿って選択していきます。
それぞれの薬に特徴があり、きちんと選択しなければなりません。
最初の薬で効果がなかった場合は、別の薬に変更していくことになっています。
薬の決定までに時間がかかりますが、その人に合う薬を選ぶのはとても重要なことです。
薬はオーダーメイドで作るようなものと考えていいと思います。

薬物治療の注意点

  • 毎日規則正しく服用する
  • 生活リズムを整え、暴飲暴食・睡眠不足を避け、健康的な生活を送る
  • 勝手に薬の服用をやめてしまわない(再発して失敗するケース)
  • 嘔吐してしまい、薬も吐き出してしまった場合は、もう一度同じ薬を飲み直す。薬が含まれているのか不明ならば、飲み直さないほうがよい(※主治医に確認が必要)

薬物治療開始の時期

通常は、発作を繰り返したら投薬します。
しかし初回発作でも、様々な要因で発作を繰り返す確率が変わることが知られています。
脳にすでに様々な障害が存在する場合や脳波にてんかん波が存在する場合には繰り返す確率が高くなるので、検査結果をふまえた上で投薬時期を決定します。

服薬期間

発作がないからといってすぐにはやめられません。
いきなりやめると大きな発作が突然再発する場合があるからです。
少しずつ減量して中止します。
てんかんの種類や年齢から薬を中止しても再発確率の低いタイプ、大人になってから発症した人は、発作がよく抑えられますが、薬を中止すると子どもより大人のほうが再発しやすい傾向があります。
薬を飲み続けるわずらわしさはありますが、医師とよく相談して方向性を決めていきます。

薬の副作用

薬に副作用はつきもので、めまい、頭痛、眠気などがあります。
原則として抗てんかん薬は1種類です。
効果があり、副作用が少ないものから試していき、2種類以上はできるだげ避けるほうがいいとされています。
組み合わせによっては発作をさらに招いてしまうからです。
個人差がありますが、子どもでは3年くらい発作がなかった場合や大人では5年くらい発作がなければ、薬を徐々に減らしていくことが検討されます。
しかし、何年もたってから再発する可能性があります。

具体的な副作用

副作用には、①飲み始めに出るもの、②服薬量が多いために出るもの、③アレルギーにより特定の人に出るもの、④長く服薬し続けることで体に影響がでるものがあります。

①飲み始めに出るもの
眠気
頭痛
めまい
ふらつき

薬を少量から開始しゆっくり増量することで防ぐことができます。

②服薬量が多いために出るもの
視界がぼやける
複視
ふらつき
めまい

服薬後に一過性に出現します.減量か服用回数を増やすことで改善できます。

③アレルギーにより特定の人に出るもの
薬疹
骨髄抑制
肝障害

通常は断薬します。

④長く服薬し続けることで体に影響がでるもの
肝臓機能低下
血液中の白血球減少
歯肉増殖
多毛
脱毛

手術

薬では発作が抑えられない場合に、手術で原因になっている部分を切除する方法があります。
手術治療では脳の一部を切除し、電気信号の興奮を抑えます。
発作が完全になくなる、または回数が減ることが期待されます。

てんかんの方の心のケア

薬物治療をしていればそれでいいのではなく、てんかんの方は、毎日発作が起きるかもしれないという不安と緊張と戦っています。
てんかんを理解し、少しでも手助けできるよう頑張ります。

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