偏頭痛を対処するには、マグネシウムを含む食品が効果的!?

偏頭痛の治療の主流は現在のところ、薬剤服用による治療です。
偏頭痛の発作が起きた時にトリプタン系製剤を服用して発作を抑えたり、発作の回数が多いと予防治療薬を服用して回数を減らすという、薬中心の治療方針です。
これは西洋流医学の発想で、効き目は劇的だが、病気の根源的な治療にはなっていない所があります。
偏頭痛とトリプタン系製剤の関係はその典型です。

それに対して、本家の中国に限らず日本にも漢方薬系医学の発想があって、食餌療法で治療しようというのはそのようなアプローチの1つです。

数ある食餌療法の中で、偏頭痛の食餌療法の基本とされているのがMBT療法(DASH diet)です。

MBTはMolecuke-based theory「分子に基づいた治療法」の略です。

頭痛の原因を分子レベルから把握し、個々人の病歴や生活習慣に基づいて、食事を含めた生活指導や投薬を行うという治療法です。

MBTでは分子を2つに分けています。

  • 標的分子:体内で不足したり、機能が低下すると、病気の誘因となる分子。
  • 攻撃分子:標的分子の不足を補い、機能低下の原因を除去して改善をはかる分子。

偏頭痛の標的分子は5つです。
これらの不足や機能低下が偏頭痛の原因です。

  • (1) セロトニン
  • (2) ラジカルスカベンジャー(活性酸素のデトックスをする物質)
  • (3) マグネシウム
  • (4) ミトコンドリア
  • (5) 交感神経

偏頭痛の攻撃分子も5つです。
物質名と攻撃の標的分子と含まれる食材です。

  • (1) トリプトファン
    セロトニンの増加(卵黄・牛乳・乳製品・大豆)
  • (2) ビタミンA・C・E
    フリーラジカルスカベンジャー(ビタミンA:緑黄色野菜・卵黄・乳製品/ビタミンC:果物・馬鈴薯・緑茶/ビタミンE:大豆・落花生・しじみ)
  • (3) マグネシウム
    後述
  • (4) ビタミンB群
    ミトコンドリア機能改善(卵・豚肉・レバー・ゴマ・大豆)
  • (5) ウォーキングなどの歩行運動・規則正しい生活
    自律神経の安定

これらの攻撃分子の改善を実行すると偏頭痛持ちの90%以上が症状の軽減がみられました。
ただし、最低限3ヶ月~6ヶ月以上は継続する事が必要です。
この療法を続けているうちに、次第に偏頭痛発作の頻度が減って行くなどの改善が見られます。

マグネシウム不足は以下の症状を誘発します。

  • 筋肉が収縮(緊張)した状態の持続
  • 脳血管の収縮(偏頭痛の前兆・発症の引き金)
  • 神経細胞の過敏(炎症が起こりやすくなる事)

マグネシウムの積極的摂取は上記の症状を改善します。
脳血管の収縮を緩和し、神経細胞を抗炎症状態に改善していきます。

マグネシウムを多く含む食品は以下の通りです。

軟体動物
タコ・イカ・貝類(あさり・はまぐり・かきなど)
海藻類
ワカメ・コンウ・ヒジキ・メカブ
豆類
エンドウ・インゲン類(キドニービーン・ホワイトキドニービーン・タイガービーン)・ガルバンゾ・レンティル
大豆製品
大豆・豆腐・高野豆腐・厚揚・がんもどき・おから
ナッツ類
アーモンド・カシューナッツ・落花生(ピーナッツ)・胡麻
緑黄野菜
ほうれん草などの葉菜類(葉緑体の必須ミネラル)
タコ

こうやって見なおすと、ナッツ類以外は和食素材の世界だなぁとあらためて認識しました。
ちなみに豆類のキドニービーンズは大正金時・ホワイトキドニービーンズは手亡豆・タイガービーンは虎豆です。

それから、トリプトファンとは何者かというと、必須アミノ酸(ヒトの体内で生産できず、経口摂取でしか取り入れる事ができません)の一種です。
セロトニンの主要な原料です。

人気の記事

サイトリンク

免責事項