自律神経失調症の症状について

自律神経失調症の症状は、全身に現れる症状である”全身症状”と、局所的に現れる症状とがあります。
私の経験上、自律神経失調症の症状がどれか一つということは少ないように感じます。
多くの方が、いくつかの症状が組み合わさった形で現れてくることが多いでしょう。

さて、それでは具体的にどのような症状があるのかという点についてです。

全身症状
全身の疲労感
めまい
不眠

上記が代表として挙げられるでしょう。

  • 頭痛
  • 便秘
  • 下痢
  • 多汗症

上記などが挙げられます。

これらの症状は、特に検査で異常が見られず、本人が不快感や症状を感じているかどうか、という点が重要になります(不定愁訴といいます)。
これらの多くは、市販/処方薬問わず、症状だけに特化した薬剤を飲んでも効果が現れにくいです。
たとえば胃痛があるからといって胃薬を飲んでも、そう簡単に回復するものではないのが自律神経失調症特有の症状と言えるでしょう。

自律神経失調症の症状と対策

自律神経失調症の原因が人それぞれにあれば、それだけ症状も人それぞれにあり、また対策もそれぞれに存在します。
たとえば薬物療法の場合、ひとくちに薬物と言っても、その種類には違いがあります。
自律神経の失調だけを起こしている場合には自律神経の調子を整える薬剤、精神症状が出ている場合には精神安定剤が処方されます。

また、最近注目を浴びているのは漢方療法で、神経系には漢方がよく効くと言われています。
生薬として有名な芍薬は緊張をほぐすために使われますし、局所的な多汗症などの場合には身体全体の水分の流れを制御するために五苓散などの漢方が用いられることもあります。

また、リラックスという言葉は神経系の疾患を考える上で重要なフレーズとなります。
たとえば音楽・アロマなどにより精神を安定させたり、マッサージやカウンセリングによって緊張をほぐしたりという対策も、最近では注目されています。
とはいえ、もちろん不調を来す前に対策をするのがやはり理想ですから、最も重要になってくるのはセルフマネジメント、あるいはセルフケアという考え方になってくるでしょう。

マッサージ
マッサージでリラックスすることも自律神経失調症の緩和につながります

自律神経失調症の精神的症状

私の経験上、自律神経失調症と精神的症状は切っても切れない縁にある、と言ってもいいほど、自律神経失調症と精神症状は親和性が高いと思っています。
たとえば頭痛だけはあるけど精神的にはまったく健康、というケースは、無いとは言いませんが少ないタイプのように思われます。

これにも二つパターンがあると私は思っていて、一つは自律神経失調症の症状が先に出てきていて、それを日々感じていく中で精神症状も発症するというパターン。
もう一つは、何らかの精神的な疾患がすでに存在していて、その症状の一つとして自律神経失調症が現れているというパターンです。

いずれにしても、精神症状と自律神経失調症には同時にアプローチしていかなくてはならないため、精神的なケア、ストレスマネジメントと合わせて、神経系の薬剤や栄養・食餌療法などを組み合わせて治療していくことが不可欠でしょう。

自律神経失調症の症状を緩和する

自律神経失調症は自律神経系の不調であって、そこにはやはり神経の興奮が原因として存在していると思って間違いないでしょう。
その結果、身体、あるいは精神に何らかの症状が出てきます。

しかしながら、自律神経失調症を患っていても一時的に症状が軽快したり緩和したりということはたまにあることです。私もそうでした。
たとえば温泉やお風呂に入ったあとは調子がいい。
不眠だったけれども睡眠剤を飲んでゆっくり寝たら少し調子がよくなった、というパターンです。
もちろんこれはこれで良いことなのですが、自律神経失調症が発症したということは、ストレスマネジメントや生活習慣に何らかの問題が発生していることはほぼ間違いありません。
そのことから考えますと、一時的に症状が緩和されたからといって安心していれば、やがて同じ症状に苦しむであろうことは火を見るより明らかです。

たとえば食餌療法をしたところ良くなった、とすれば普段の食事に問題はなかったか?であったり、運動してぐっすり寝たら気分が良くなった、という場合には、ストレス発散ができていなかったか?単純に運動不足だったか?など、症状の緩和そのものを喜ぶよりも、緩和したことに対してしっかりと考えていきたいところです。

自律神経失調症の症状が悪化する?

自律神経失調症が悪化したかも?というような疑問は、インターネットなどでもよく目にするフレーズになりました。
しかし、悪化というフレーズに違和感を感じずにはいられないというのが私の思いです。
なぜかと申しますと、たとえば自律神経失調症の症状は不定愁訴であって、原因の多くは神経系にあります。
たとえば胃に潰瘍があって、それが胃酸で拡大した、というなら悪化という理屈もわかりますが、神経系は悪化ではないと考えています。
どちらかというと、自律神経失調症の症状が継続していて、それが精神的なストレスになってうつ病を発症した、あるいは新しい症状が出た、などはあるかもしれません。
しかし、それは原因が違いますから、悪化とは言えないと考えています。

新しい症状が出たとしても、基本的なアプローチは同じで、精神・肉体両方の面から原因を探り、ストレスマネジメントや食餌療法に、薬物を組み込んでいくという理屈になるでしょう。

まとめ

自律神経失調症には全身・局所的と様々な症状があり、人によってどの症状が出るかはわかりません。
しかし、どの症状が出たとしても、ストレスマネジメントや食餌療法、薬物療法といった基本的な治療プロセスは変わりません。
この場合、治療方法として実際に出ている症状に対する対症療法は無意味と考えていいでしょう。
原因は神経系にありますから、その根本となる原因、ストレスや栄養不足を招かないような習慣を作っていくことが肝要で、それがクリアされない限りは治療終了とは言えないというのがこの疾患だと考えられます。
新しい症状が出て”悪化した”と動揺することなく、根気強く根本の原因を解決していくように治療をしていくようにしましょう。

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