パニック障害と『うつ』との関係

パニック障害が発症する場合、従来型(定型)うつ病の特徴とは全く異なり、新型うつ病の一症状として認知されています。
最も異なる特徴として、『そう』状態への転換が急激です。
罹患者本人にとってうれしい事などがあれば極端な変わり様を示します。
普段は鉛の様に重く感じる肉体が一転して重力から開放された様に活動的に成ります。
その転換と同様に速やかに抑うつ状態へ戻ります。
抑うつ状態時でも過食し、加えて十分な就寝時間を摂りながら常に睡魔に囚われます。
一見、単なる『怠け』病に見える所が罹患者の最大の悲劇かもしれません。

パニック障害との相関関係は必ずしもイコールでは無くパニック障害発症者の中に非定型の抑うつ症状に罹患しているケースが多い事を意味します。
また、パニック障害は単独症状として現れるケースがあり『うつ』への引き金に成る事もあります。

非定型うつ病は従来の抗うつ剤の服用、電気刺激治療では予後効果が期待されず、日本の場合は『うつ病』のカテゴリーから外し境界性の人格障害、PTED、離人症などに分類される事が多い様です。
罹患率が高いのは10~20歳代の女性ですが中高年50歳以上まで持ち越すケースもあります。
性格の特長は感受性が高く、対人関係に於いては機敏に触れる事に慎重かつ過敏です。
本来は真面目な性格で潔癖性の傾向が強いと言われ、その反動が原因であると思われます。
つまり罹患時期10,20歳代が多い事は、前頭葉の発育が一段落つく期間と重なり、多感な時期を自然な形で上手に発育出来なかった事が要因であると推測されます。
例えば親など親近者から多くの期待が注がれ、それに答えようと過剰適応を強いられる事を受け入れるが、現実の成績を鑑み、期待に反し限界を意識します。
挫折感等、小さな失敗を積重ねが心の発育に影響を与えたと言い換えられるかも知れません。

社会生活に於いては自己評価が低く「自らの意思」を持てず常に他者の意見に大きく左右され、誤解により後々にトラブルが発症させる可能性が高いと思われます。
治療には認知行動療法が適合します。
しかしうつ病と併発していり場合、現状の抗うつ剤(SSRI)の投薬中心の医療体制からは寛解する可能性は高くありません。

非定型うつの定義(DSM-Ⅳ)

気分障害が認められる。「喜怒哀楽に自制が効かない」
  • 著しい体重変化(過食による増加)。
  • 過眠である。
  • 体が重く日常活動でも大変な苦痛を伴う。
  • 些細な事に癇癪を起こし、長期間、人との接触を拒む。

1994年にDSMによって定義された内容です。

パニック障害

アレルギー反応とは異なり、以下の症状が外界との脈略とは無関係に突然発症するのが特徴です。

  • 動悸
  • 発汗
  • 頻脈
  • ふるえ
  • 息苦しさ
  • 胸部の不快感
  • めまい
  • 不安感

パニック状態は概ね10分間~1時間以内に収まります。
発経験の場合、救急車で病院へ直行するケースが多いのですが、病院に到着する頃には回復する事が多々あります。
この様な場合、血液検査及び心電図検査では異常は認められません。
従ってパニック障害の専門外の専門科も往々に「気のせい」と判断する場合があります。

しかしパニック症状が脳内分泌物質のアンバランスに起因する場合は病気であって気のせいではありません。
ノルアドネラリンが再接種され、結果的に大量に分泌される事により、意識状態とは無関係に交換神経が働き興奮状態を促します。
其れを抑制するのがセロトニンですが、これはうつ病の場合とも関係します。
逆の見かたをすれば、セロトニンの分泌の過不足により、興奮状態に囚われる場合もありえると思われます。

予期不安

パニック障害の慢性状態の罹患者の場合、過去の経験から発症した時の環境や条件に合致する場に置かれた場合、不安や恐怖心が襲う事で皮肉にもパニックを発症してしまいます。

広場・閉所恐怖

環境(空間)との絡みでは逃げ場の無い閉所恐怖症による発症、公然の手前、辱めを受ける事を想像する事による広場恐怖(外室恐怖)の2タイプがあります。

治療

パニック障害の治療には、心療内科が対象です。
その他過呼吸症候群や甲状腺疾患が原因である事もあります。

双極障害(そううつ病)と症状等、類似点が多い様に思われますが、双極障害の心因的な動機で『そう』と『うつ』が周期的に作用するのに対して外部からの刺激に対応し過剰反応を発症させる傾向があります。
又抗うつ剤だけの服用では肝心なノルアドネラリン乱分泌作用を制御出来ない為、従来の治療ではうまく対応出来ないケースもあります。

海外ではモノアミン酸酵素阻害薬(MAOI)という薬で対応いる所が在りますが、その副作用によってジスキネシア(自分の意思とは無関係に体の一部(手足や頸部)を反復運動又は震えを来す症状で意思に基づき動作を抑える事も出来ません。)と呼ばれる運動障害を発症させる事も否定出来ず、日本での使用認可は下されていません。

※記事の内容中2003年当時を反映している事があり治療体制など現状と異なる可能性が在ります

人気の記事

サイトリンク

免責事項