コーヒーに含まれるカフェインが持つ血管収縮と偏頭痛との関係

偏頭痛の痛みは経験しないと解りません。

普段自覚していない心臓の鼓動と同調して襲ってくる痛みは、本気で生命の危機を感じるほどです。
年に1度や2度、寝過ぎが原因で経験するレベルでもそうなのですから、慢性的と言うか、定期的に偏頭痛に襲われる方は、肉体的な苦痛は無論の事、精神的な苦痛はいかばかりなものなのでしょうか。

そのようなものはできるだけ発症させないに越した事はないのですが、現実として、日本人約1億2千万の中で約800万の方が慢性的な偏頭痛に悩まされています。

そうでありながら、21世紀になっても偏頭痛の根本的な原因が解明されていません。
したがって根本的な治療法があるわけもなく、対症療法的な治療法にならざるを得ません。

つまるところ、偏頭痛が起きた際に痛み緩和軽減する事が治療の中心になります。

処方薬としてはトリプタン系薬剤が、偏頭痛発症のメカニズムを突いた特効薬として21世紀の初めに発売されましたが、3割負担でも1錠300円以上もするし、効き目も値段の割に不安定なので、製薬会社が意気込んで売り出した割には不評なようです。
かと言って、それらが売り出されたのと相前後して、重宝していた市販薬が薬局から消えたそうです。

と言うわけで、偏頭痛との付き合いが長い方には、その方なりの偏頭痛の治し方があると言います。

確かにネットで偏頭痛をキーワードに調べると様々な治し方に関わる記事がアップされています。

  • 痛む患部を冷やしてみたり
  • アロマを焚いてみたり
  • お抹茶を点ててみたり
  • ツボを指で押したり乳棒で押したり

上記のように方法はその方により様々です。

その中でも多いのがコーヒーを飲むという方々です。

コーヒー

確かにコーヒーに含まれるカフェインは大脳の機能を高める効果があります。
大脳を覚醒させる作用、興奮させる作用など。
そう言えば街の中心部の喫茶店に置いてあった読み物に、ルネッサンス時のヴェベツィアで初めてコーヒーを飲んだイタリア人が白昼に幻覚を見て大騒ぎをした、と言うエピソードが載っていました。
14世紀のマムルーク朝エジプト直輸入だから当然アラブ風の淹れ方だったんだろうけど、幻覚を見たというのはとんでもない話です。
アルコール依存症末期じゃあるまいしとも思うのですが、まるっきり初(ウブ)な状態にいきなりの興奮剤と言うのは、それだけ甚大な効果を及ぼすと言う事なのでしょうか。
そう言えば、200年後の16世紀にアメリカ土産の煙草を初めて吸ったスペイン人がニコチンの効き目が激しすぎて人事不省になったと言うエピソードもあります。
まあ、コーヒーは、今となっては、単なる眠気覚まし飲料の中の『one of them』以外の何者でもありませんが。

とは言え、コーヒーの脳への作用のうち、偏頭痛との関係で注目したいのが、カフェインが持つ血管収縮の機能です。

偏頭痛の原因として定説になっているのが「何らかの理由で頭蓋内の血管が拡張する」と言うものです。
その「何らかの理由」が解明尽くされていないし、そもそも何故に偏頭痛持ちの血管だけが拡張するのかも解明し尽くされていません。
ですが、メカニズムのすべてが解らなくとも、一部でも解れば対策はあると言うものです。
つまりは、拡張した血管を収縮させて元に戻せば良いのです。

と言う事で、コーヒーの出番と言う事になります。
コーヒーに含まれるカフェインの作用で拡張した血管を収縮させ、その結果として偏頭痛が治まる事を期待する事ができると言う事です。

また、カフェインは大脳を覚醒させる反面、神経をリラックスさせる鎮静作用もあります。
そのため、コーヒーには偏頭痛を緩和する鎮痛剤の役割を期待する向きもあります。

コーヒーを偏頭痛対策として飲むに当たっての幾つかの注意事項を。

注意事項

その1

カフェインの機能は血管収縮機能です。
あくまで拡張した血管にしか効果を発揮しません。
ですから、飲むタイミングは偏頭痛が発症してからです。
予防薬としての機能はカフェインにはありません。
漢方薬のような感覚でコーヒーを飲み続けても偏頭痛は起こります。

その2

偏頭痛の方の中にはコーヒーが苦手な方がいらっしゃるかもしれません。
確かにカフェインと言えばコーヒーですが、それだけではありません。
先述した抹茶や緑茶・紅茶にもしっかりと含まれています。
コーヒーと同様に血管収縮作用により偏頭痛を緩和軽減する効果があります。
ですから、お好みで緑茶や紅茶、あるいはコーラ・健康飲料などをお楽しみください。

緑茶

その3

なお、上記の飲料を飲み過ぎるとカフェイン中毒になったり、胃腸を痛めたりする事があります。
そう言えば昨年(2015年)の秋頃に、アメリカで、カフェインを含んだ健康飲料をガロン単位で呑んで、カフェイン中毒で命を落とした方がいらっしゃいました。
何事も「過ぎたるはなお及ばざるが如し」です。

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