てんかんの看護の観察項目を理解しておくことが大切

発作時の緊急処置は家族や付き添いの人が行なうことができます。
しかし、学校で起きたら、外出先で起きたら…どうする?

子どもにてんかんがあると親が心配し過ぎて1人での活動や外出を制限してしまうことがあります。
てんかんがあっても緊急処置の必要がある可能性が低い場合、安全は確保しつつ普通の生活をすることができます。

重積状態になった場合は救急車を呼ぶとともに緊急に座薬を使い、発作を止める処置をしなければ危険です。
学校で重積状態になったときに対応できるのは養護教諭、いわゆる保健室の先生の存在が大切です。
養護教諭は学校で起きやすい病気や処置に詳しく、家族から発作が起きたらどう対応したらいいかの話を聞いておき、いざというときには速やかに処置を行ないます。

知的障害や身体障害も合わせて持っている子で特別支援学校、療育施設に通っていれば看護師がいますので、重積状態の処置と病院への連絡を行ないます。

てんかんについての相談する場所として、地域の保健所、保健センターなどがあります。
看護師、保健師、ソーシャルワーカーが生活上の相談や悩みを一緒に解決する方法を探ったり、自宅へ訪問して相談を受けることもできます。
必要に応じて病院との連携も行なっています。

てんかんの子を持つ親にとっては、気軽に相談できる場所が必要です。
一緒に楽しい生活ができるようにサポートするのが看護師・保健師のサポートです。

看護師
一緒に楽しい生活ができるようにサポートするのが看護師・保健師です。

てんかんの看護観察項目

観察するポイントとしては、以下のものが挙げられます。

1.発作が起こった時間と状況

発作の始まる様子が最も重要です。

時間
目覚めている時なのか
睡眠中なのか(寝入り・熟睡中・起床直前等)
状況
前兆があったか
けいれんが身体の一部から始まってから全身に広がっていったのか
意識がだんだん遠のいていったのか
けいれんは起こらず意識障害だけだったのか
返事がちぐはぐになったか
転倒したか(その場合の方向や姿勢、発声の有無、倒れ方)
2.発作中の状態

発作の様子は時間の経過とともに変化します。

  • 手足は伸びていたか、曲がっていたか
  • 顔つき (表情の変化、顔のゆがみの左右差、わけのわからない言動)
  • 眼球の位置や視線の方向はどうだったか
  • ガクンガクンと全身に力が入ったり、抜けたりしたか
  • 唇の色はどうだったか
  • 意識はあったか
3.発作の継続時間

発作がどのくらいの時間続いたか確認。

4.発作後の様子

発作が終息した後の様子を確認しましょう。
例えば次のようなことを確認します。

  • 名前の呼びかけに反応があるか
  • 手足の麻痺はあるか
  • 言葉が間違わずに出るか
  • 言葉を理解できるか
  • 興奮やもうろう状態がないか
  • 発作時の記憶はあったか
5.発作の誘因になるものがあったか
  • 発熱・興奮・疲れ・睡眠不足などの身体的な要因
  • 入浴・飲酒など生活場面による要因
  • テレビやゲーム・閃光・キラキラするような視覚刺激による要因

これら観察したことを、メモにでも写実的に記録しておいて下さい。診察の際に非常に役立ちます。

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