アルツハイマーの初期症状

「アルツハイマー型認知症」という病気についてみなさんも聞いたことがあると思います。

このアルツハイマー型認知症は、社会の高齢化によって増加してきた病気の1つです。

アルツハイマー型認知症は、高齢者ほどその発症率は高いものの、近年では若年性アルツハイマーにかかる人も増えており、年齢に関係なく発症する病気となりました。

アルツハイマー型認知症の怖いところは、進行性の脳疾患であるという点です。

厚労省は、2012年の認知症高齢者が350万になったと発表しました。
これは従来の予想よりも速いペースで、2020年には400万人を超える勢いで増えています。

初期症状が現れたにもかかわらず、そのまま放置していると症状はどんどん進行します。

しかし、認知症は初期症状が気づきにくく、発見が遅れることの多い疾患です。

アルツハイマー病は初期症状で治療することができれば、症状の進行を遅らせることのできる病気です。早期発見が一番重要です。

ごく初期の症状は、日常的にもよくある症状であるため、家族や本人でさえも気がつかないほどです。
ちょっとした人格の変化や、不安、抑うつ、睡眠障害や幻視妄想などといった症状がそうです。

医者
アルツハイマー病は早期発見が一番重要

アルツハイマーの初期症状には下記のような症状があります。

  • 1.同じことを何度も繰り返し話す(聞く)会うたびに同じ話をする
    記憶が定着しないため、同じことを何度も言ったり、何度も聞いたりします。
    また、相手の話を聞きながら自分が言いたいことを考えることができないため、会話がちぐはぐになります。
  • 2.慣れている場所で道に迷う
  • 3.財布やお金を盗まれたと言って騒ぐ
  • 4.以前より身だしなみがだらしなくなる
    清潔好きでオシャレな人だったのに、身なりに構わなくなったら要注意です。
    身だしなみに関心を示さなくなり、汚れた衣服を着ていても気にしなかったり、髪の毛の乱れを直そうとしなくなり、またお風呂に入らなくても平気になります。
    女性の場合は、お化粧やおしゃれもしなくなります。
  • 5.夜中に起き出し、騒ぐ
  • 6.物をどこに置いたのか、どこに片付けたのか忘れることが多くなる
    置き忘れやしまい忘れが多くなり、捜し物が多くなります。
    また、お金の管理や薬の管理などもできなくなってきます。
  • 7.簡単な計算ミスをすることが多くなる
  • 8.物の名前が出てこなくなる
    いわゆる典型的なアルツハイマーの初期症状、「物忘れ」です。
    新しいことが覚えにくくなるので、自分が若い時の話などは詳細まで覚えているのに、ついさっきの事、などが分からなくなります。
  • 9.水道の蛇口や、ガス栓の締め忘れが目立つようになる
    電気やテレビを消し忘れて外出(就寝)してしまうことが増えることも挙げられます。
  • 10.ささいなことで怒りっぽくなる
    小さなことで苛立つ、物の言い方がキツくなった、突然怒り出すといった変化があります。
  • 11.時間や日付や曜日が不確かになる
  • 12.日課をしなくなる
  • 13.以前はあった関心や興味がなくなる
  • 14.以前よりもひどく疑い深くなる
  • 15.薬の管理ができなくなる
  • 16.テレビドラマを見ていても内容が理解できなくなる
  • 17.自己中心的で頑固になった
  • 18.理由の無い不安感にかられる
  • 19.抑うつ状態になる
    何をやるにもめんどうになり、元気がなく憂鬱そうな表情になります。
    立て続けに体調不良を訴えたり、いつも不安そうな様子になります。
    家に1人で留守番するのを嫌がったりもします。
  • 20.睡眠障害になる
  • 21.幻視や妄想が重なる
  • 22.人や物の名前や使い慣れた言葉がすぐに出てこない
    「あれ」「それ」などの代名詞が多くなります。
  • 23.新しいことを覚えることができない
  • 24.いつもしているはずのことがスムーズにできなくなる
  • 25.その日の朝食の内容を思い出せないことがある
  • 26.鍋やフライパンをよく焦がしてしまう
  • 27.同じ料理ばかり作ってしまう
  • 28.大事な約束事をよく忘れる
  • 29.数日前に買ったことを忘れて、また同じモノを購入してしまう
  • 30.笑顔の絶えなかった人が笑わなくなった
  • 31.話が噛み合わなくなる 脈絡がなくなる
  • 32.質問と違うことを答える
  • 33.話のつじつま合わせをする
  • 34.仕事や家事の段取りがうまくできなくなる
    論理的な思考力が低下するため、目標を設定して計画を立て、実行に移すということができなくなります。
    また、家事をする場合も調理の手順を間違えたり、食器をうまく片付けるということができなくなります。
  • 35.身の回りのことに無関心
    部屋がゴミだらけ、散らかし放題になっても平気で過ごす人もいます。
  • 36.不安から家に閉じこもりがちになる場合も
    アルツハイマーのせいで不調を感じるのに加え、いつもできていたことができなくなるなど、本人しか分からない不安を抱えているのかもしれません。

上記のうち、複数の症状が当てはまるなら、特に急いで受診してたほうが良いのかもしれません。

このような症状に本人、もしくは家族や周囲の人が気づいた場合、早急に病院で診断・検査を受けましょう。

もの忘れなどが頻繁に起こる場合には、症状が進行している場合があります。

もの忘れ
もの忘れが頻繁に起こる場合は、アルツハイマーの症状が進行している可能性があります。

また、治らない場合であっても適切な治療によって進行を遅らせることもできます。
そして、病気の進行に備えて病気について知る時間ができます。

それによって、病気への対処方法を知りこれからのことを家族としっかり相談できるのです。

家族もまた、将来の介護の準備もできます。

初期症状を見逃さず、病院での早期診断が本人にも家族にも重要になります。

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