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アルツハイマー病とは何だろう?
何年か前に若年性アルツハイマーの映画を観ました。
自分の記憶がどんどん消えてゆく…。
家族の顔がわからなくなる…。
自分の家がわからなくなる…。
アルツハイマーの治療法はまだないそうです。
このサイトでは、アルツハイマーについて調査しみなさんに報告したいと思います。
アルツハイマー病とは…
アルツハイマー病は1907年にドイツのアルツハイマーによって報告された認知症の代表的な病気です。
脳の中の記憶に関係する部位(海馬や頭頂葉-側頭葉)にアミロイドというたんぱくの一種が蓄積していくことが病気の始まりと考えられていますがさらにタウというたんぱくも神経細胞のなかに蓄積するようになり、神経細胞を壊していきます。
アルツハイマー病は
「記憶」「思考」「行動」に問題を起こす脳の病気です。
アルツハイマー病は通常の老齢化あるいは精神疾患とは異なります。
「認知症」とは日常生活に支障をきたす記憶およびその他の知的活動能力の消失を示す総称です。
認知症の症例においてアルツハイマー病はその60~80%を占めています。
アルツハイマー病の症状は時の経過と共に進み最終的には亡くなります。
症状は多岐にわたりますが多くの人々が初めに気づくのは家庭や職場での役割や長い間楽しんできた趣味に影響を与える程度の物忘れです。
その他「混乱」「慣れた場所で迷う」「物を置き忘れる」「会話および筆記に表れる問題」などの症状があります。
中年や初老期でおこる脳の障害をアルツハイマー病と呼んできましたが70歳、80歳で発症しても、現われてくる認知症症状は同じであることがわかってきました。
2つの病気を1つにまとめて、アルツハイマー病と呼ぶこともあります。
アルツハイマー病の症状
年をとれば物忘れをするようになります。
「人の名前が思い出せない」
「むかし書けた漢字が書けない」
などは、誰でもよく経験することです。
しかし、そのときは忘れていてもあとでふっと思いだしたりするものです。
いわゆる健忘症(けんぼうしょう)です。
ところが、物忘れのために日常生活に支障をきたす人がいます。
たとえば、食べたことを忘れて、再度、食事を要求したり電話の取り次ぎがうまくできなくなるといったようなことです。
まず、「時間の感覚が失われます。」
きょうが何日なのか、何曜日なのか、あるいは春なのか冬なのか、季節がわからなくなります。
つぎに「場所の混乱」がおこります。
たとえば病院に来ているのに、どこにいるのかがわかりません。
医師や看護師の白衣を目にすれば見当がつくはずなのに「おかしいですね、何でそんなものを着ているんでしょう」などといったりします。
さらに症状が進行すると「長年住み慣れた自分の家がわからなくなり」
夜になると、「おじゃましました。ここらでおいとまします」などといって、自宅から出ていこうとします。
最後には、「人物を認識することができなくなります。」
ですから、自分の娘に向かって、「どなた様ですか」とか、「こんなに遅くまでいると、お母さんが心配するから早く帰ったほうがいいですよ」などといったりします。
「中核症状」と「周辺症状」
アルツハイマー病の症状には、「中核症状」と「周辺症状」があります。
「中核症状」
主な中核症状としては「記憶障害」や時間や季節感覚、方向感覚、人間関係等の認識が欠如する「見当識障害」
簡単は計算ができなくなるといった「理解・判断力の障害」
計画立てて物事をおこなうのが困難になる「実行力障害」などがあげられます。
中核症状の代表は記憶障害で最近自分が経験した出来事を忘れることから始まります。
「同じことを何度も聞いたり」「同じ話をくりかえしたりする」 ようになります。
病気が進むと「過去に経験した記憶や、学習した記憶も失われ」るようになります。
中核症状としてはこの他に「場所や時間の感覚があいまいになる」
「判断し決定することが困難になる」
「順番に段取りよくものごとを進めたり、仕事を計画的に行うことが難しくなったり」します。
男性ですと「買物へいかなくなったり」
「好きでやっていたことをやらなくなったり」しますし女性では「料理が困難」になります。
またやらなくなったことに対して「様々ないいわけ」をするようになります。
初めは、「新しいことが覚えられない」と訴える人がいちばん多いようです。
そのため「今までできていたことが困難になり」
「自信をなくし」「やる気を失い」『抑うつ状態』に陥ることもあります。
また、肩や腰の痛みを不治の病と思い込むような心気症(しんきしょう)や理屈に合わない考えに凝り固まるパラノイアという妄想が出ることもあります。
その後、「今日は何月何日か」がわからないなど時間が認識できない見当識の障害が現れます。
物の名前が出てこない、臭いや味がわからないとか、約束どおりに物事を実行できなくなるので日常生活を送るうえで困ることが増えてきます。
さらに進むと、新しいことだけではなく古いことも忘れます。
言葉の理解ができず、道具がうまく使えないとか、着衣ができないこと(着衣失行)もあります。
また、道順がわからなくなり、家に帰れなくなります。
「物を盗られた」とか「夫が浮気をしている」などありもしない事柄を妄想する心理的な異常です。
「周辺症状」
「周辺症状」とは、中核症状を受けて現れる症状のことを指します。
例えば、アルツハイマー患者が自分で財布をしまったのを忘れ周囲の人に財布を盗まれたと騒ぐようなとき財布をしまったのを忘れるという中核症状を受けて盗まれたという妄想が生じ、この妄想が周辺症状ということになります。
周辺症状は、精神症状として徘徊や妄想、幻覚、感情障害として、うつや不安感、無気力といった症状がみられます。
徘徊は有名な症状ですが、すべての例にみられるわけではなくむしろ家にこもって外へ出たがらないことがめだちます。
このような症状がゆっくり進行していきますが時間によって、日によって、接する人によって症状は大きく変化します。
介護している方に強く症状が出ることがあり介護を大変にする大きな原因になっています。
アルツハイマー病の症状一覧
- 同じことを何度も言ったり、聞いたりする
- 慣れている場所で道に迷う
- 以前より身だしなみがだらしなくなる
- 物をどこに置いたのか、どこに片付けたのか忘れることが多くなる
- 簡単な計算の間違いが多くなる
- 物の名前が出てこなくなる
- 水道の蛇口や、ガス栓の締め忘れが目立つようになる
- ささいなことで怒りっぽくなる
- 時間や日付が不確かになる
- 日課をしなくなる
- 以前はあった関心や興味がなくなる
- 以前よりもひどく疑い深くなる
- 薬の管理ができなくなる
- テレビドラマの内容が理解できなくなる
- 財布やお金を盗まれたと言って騒ぐ
- 夜中に起き出し、騒ぐ
- 自己中心的で頑固になった
- 理由の無い不安感にかられる
- 抑うつ状態になる
- 睡眠障害になる
- 幻視や妄想が重なる
- 人や物の名前がすぐに出てこない
- 新しいことを覚えることができない
- 物の置き場所をすぐに忘れる
- いつもしているはずのことがスムーズにできなくなる
アルツハイマーの症状の経過
- 初期症状
- 職場で手紙の住所や日付を書き間違える。
- つじつまが合わない文章を書くようになる。
- 人の名前を忘れる
- ものをしまった場所を忘れる
- 約束を忘れる
- 進行症状
- 通勤の道を間違える。
- 家の中でトイレと台所を間違える。
- 自分の年齢が分からない。
- 言葉の最後の数語を反復させる。
- 1語を反響させるかのように何度も繰り返す。
- 人形を子供と信じてなでたり、あやす。
- 食事をしたことを忘れ、食べたばかりなのに“食事はまだ?”と催促する。
- 乾いた洗濯物を、また洗濯機に入れて洗おうとする。
- 鏡に映った自分を他人と思って話しかける
- 重症化
- 人格が変化
- 感情的に不安定になり、徘徊
- 環境に適応出来ずに様々な問題を引き起こす
- ついには精神の荒廃状態に陥る
- 言葉を発することも出来なくなり、寝たきりになる。
周りの配慮
アルツハイマー病は、本人の自覚がほとんどないので身近にいるひとの「ちょっとおかしいな」の気づきが重要となります。
認知症を疑う症状としては、
- よく探し物をしている
- 何度も同じことを聞く
- 薬の飲み忘れが多い
- 同じものを買ってくる
- 今までできていた家電の操作ができない
- 献立がマンネリになる
- 家へ閉じこもりがちになる
皆さんも注意してみましょう。