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【統合失調症体験談】症状によって悩まされる日々

人によって統合失調症の症状も違いますが、私の場合はいないはずの誰かの声がすぐ近くで聞こえるということから始まりました。
主人と2人ぐらしなのですが、そのころ主人は脳梗塞をおこして入院中。
自宅と病院を行ったり来たりしていました。
ひとりの時に限って耳元で悪口を言われるのです。
特に『うるさい』という悪口が多かったです。
ちょっと音を出すと「うるさい」
パソコンのキーを押すと「うるさい」
炊飯器の音が「うるさい」
掃除機の音が「うるさい」
調理器具の音が「うるさい」
トイレの音が「うるさい」
とにかく何をやっても「うるさい」と耳元で聞こえるのです。

その頃の私は統合失調症という病気を知らなくてちょっと霊感もあることから「霊?」と思っていたのです。
私の病院でお話した女の人がいました。
彼女も統合失調症で、会社にいて後ろのほうから自分の悪口が聞こえるというのです。
「あの子は・・・」とかはっきりと聞こえるわけではないのですが、なんとなくぼやっと聞こえるのです。
それも何人にも言われているような気がして入退院を繰り返していました。

その他誰かにつけられているとか誰かにねらわれているとか思う人も多いと聞きます。
実際には誰にもつけられていないしねらわれてもいないのです。
そのため挙動不審におちいったり、精神的に病んでいくのがわかるのです。
きちんと治療しないとずっとひどくなっていきますからやはり治療は必要です。
でもそれが精神科にかからなければならないほどひどいとは自分も他人もわからないのです。
とかく自分では精神科へいきたがらないですからこれが普通だと思っています。
ちょっと自分が疲れているのかな。
ゆっくり休めば治るのかなと簡単に思ってしまいます。
でもそんな簡単な問題ではなかったのです。
ひどくなるとぶつぶつ何かをつぶやいていたり自ら命を絶とうとしたりすると聞きます。
そうなってからではおそいのです。

私の場合もだんだん悪口がひどくなっていきました。
主人が入院して体が動けなくなるかもしれないという心の葛藤がよけいに重みをださせていたのでしょう。
隣の家の人が悪口を言っていると次第に思うようになり隣に「うちうるさくないですか?」と聞きに行ったこともあります。

主人の入院から3か月目のことでした。
ある日突然「うるさい」という声が聞こえたのです。
最初は鍵でした。
何回も確認しないと出かけられなくなっていてガタガタなんども確認してしまうのです。
大きな声で怒った声で「うるさい!!」と言われました。
本当かどうかなんてわかりません。
だれも出てこないのですから。
それからは鍵はなるべく静かに開け閉めするようになりました。
でも確認の回数はずっと増えていったのです。
主人がいざ退院となって6か月の入院生活から普通の生活に戻るようになりました。
うちへ帰ってきてもひとりの時は同じ。
「うるさい」という声が日中増えていったのです。
ですからできるだけ静かに動くようにしました。
普通の生活しかできなくなりPCをあけることさえできなくなりました。
「うるさい」と言われながら包丁で物を切ったり「うるさい」と言われながら洗濯機をまわしたりして 我慢し続けていました。

みんな隣近所が言っていると思っていたのですから「私が悪いんだ。私が音をだすからいけないんだ。」と思い込み、主人には「何か言ってくるまでほっとけ」と言われました。
どうにもならずに主人の入院している時にホテルに1泊しました。
それだけ逃れたかったのです。
電話で姉に相談しました。
「すぐにうちにおいで」と言ってくれました。
「今日はホテルに泊まって明日の朝行く」と言いました。
翌日青い顔をしながら実家へとタクシーで行ったのです。
ついたとたんに倒れこみました。
親もびっくりしてすぐに寝るように言われました。
それから約1年間実家のお世話になることになったのです。
実家と引っ越ししたうちを行ったりきたりしながら暮らしていました。

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