低気圧による偏頭痛の対処法

「天気が悪くなると頭が痛くなる」と言う話はよく聞きます。
「低気圧が来ると頭がズキズキ痛む」とか「偏頭痛がひどくて」とか「頭痛で仕事や家事が手につかない」と言うのも。

確かに低気圧が東進してくると天候が悪化するのは教科書にも記載されている事実です。

しかし、低気圧を挟んで天候の悪化と頭痛との間にはどのような関係があるのでしょうか。

低気圧

低気圧とは「周囲より気圧の低い部分」と言うのが最も簡にして素な説明です。
周囲より気圧が低いと言うことなので、中心気圧が1気圧(1013.25hPa)より高い低気圧も冬のシベリア高気圧周辺では珍しくありません。

また、頭痛と言っても大雑把に偏頭痛と緊張型頭痛の2種類があります。

偏頭痛と緊張型頭痛

偏頭痛の特徴
  • 脈拍とシンクロしたズキンズキンという痛み
  • 頭の片方(こめかみから眼のまわり)が痛くなる
  • 数日から数週間の感覚で頭痛の発作が起こる
  • 1回の頭痛が2~3時間(長い場合は1日中)続く
緊張型頭痛の特徴
  • ほぼ毎日頭痛がある
  • 頭全体あるいは後頭部からの痛み
  • 痛みは鈍痛で拍動とは関係しない
  • 痛みの出現・消退の時期がはっきりしない

低気圧による頭痛はどう見ても偏頭痛によるものであることは間違いないと思います。

では偏頭痛が起こるメカニズムはどうのようなものなのでしょうか 順を追って書くと以下の通りです。

  • 1.何らかの理由で脳内に網の目のように張り巡らされた血管が拡張する
  • 2.その時に血管周辺の神経が圧迫されたり刺激で炎症を起こす
  • 3.その結果偏頭痛の発作が起こる

つまり、偏頭痛の直接的原因は脳内の血管の拡張です。

この「脳内の血管の拡張」の引き金は様々で、女性の場合は女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量の減少がそれであることが知られています。

では低気圧と偏頭痛の関係はどこにあるのでしょうか。
現在のところ2種類の説があります。

A.気圧変化説

低気圧通過にともなう気圧の低下によって、脳内の血管が拡張して血管周辺の神経を圧迫すします。
刺激を受けて炎症を起こした神経は血管拡張物質を放出するので、血管の周囲には炎症が広がって行きます。
この悪循環の刺激が偏頭痛の発作につながります。

B.自律神経説

気圧が下がると脳内の血管を抑えていた圧力も下がります。
同時に、自律神経のうちの副交感神経が活発になります。
「気圧が下がると天気が悪くなり活動に適さない環境」と言うことで人類300万年の身体的メカニズムから「休息とエネルギー蓄積モード」に入るわけで、血管は血圧を下げるために拡張します。
その結果、脳内の血管が拡張し偏頭痛の発作が起こります。

いずれにせよ、「気圧の急激な低下」が引き金になっているのは間違いありません。

低気圧による偏頭痛の対処法

偏頭痛は頭の血管が過度に拡張して神経を刺激することが原因です。
したがって「拡張した血管を収縮させる事」が基本方針になります。

冷やす

痛い部分は「冷やす」のが第一です。
こめかみ等をジェルシート(ヒエピタ)などの冷却グッズで冷やすと血管が収縮して痛みが軽減されます。
と言う事は、逆はNGと言うことです。
つまり、シャワー・入浴・運動などの身体を温める行為は血管が次拡張するので避けましょう。

カフェインを摂る

軽い偏頭痛なら発作が始まったときにコーヒー・紅茶・緑茶などカフェインを含んだものを飲むと症状が軽くなります。
カフェインには血管収縮作用があるので、血管の拡張を押さえたり元に戻すことができます。

冷暗所で安静にする

偏頭痛の方は光や音に過敏になります。
偏頭痛が起こったときに、明るい部屋・陽光の降り注ぐ屋外・大音響と激しい光が渦巻くパチンコ屋などにいると症状が悪化します。
と言うか、騒音どころか小さな音にも過敏に反応してしまうので、偏頭痛の発作が始まったら可及的に速やかに暗い静かな部屋に移動して安静にしましょう

偏頭痛予防食

たいていの慢性病は食生活と直接間接を問わず、係わり合いがあります。
偏頭痛の方の3割がマグネシウム不足というレポートがあります。
また、マグネシウムとビタミンB2を一定量摂り続けていると偏頭痛予防に効果があります。

マグネシウムが多い食べ物
大豆
いわし
しらす
あさり
わかめ
こんぶ
アーモンド等
ビタミンB2が多い食べ物
レバー
納豆
牛乳
玉子等
牛乳

妊娠期間や授乳期間の女性は、緑黄野菜やマグネシウム入りのミネラルウオーターを積極的に飲んで、偏頭痛を和らげるよう指導している産科医院もあるようです。

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