統合失調症の症状としての妄想

統合失調症と妄想は深い関わりがあります。
妄想に歯止めが効かなくなり、妄想を現実だと思い込んでしまうのです。

私は妄想が悪い事であるとは思いません。
現実で成功するためにはまず成功した自分というものを妄想しなければいけません。
成功するまでの過程を妄想できない人は、ただギャンブルをしているだけです。
失敗する可能性の方が高くなりますし、意味がありません。
現実にとって、妄想はなくてはならないものです。

では、何処までが病気と判断され、統合失調症の症状とまで行く妄想なのでしょうか?

1.意味不明の妄想を現実だと思い込む

これは普通の人でもずっと昔から心配されてきました。

ホラー小説を読めば人に危害を与えるようになる。
テレビを見れば人に危害を与えるようになる。
暴力的なゲームをすれば暴力的な犯罪をするようになる。

などなど、意味不明の妄想を現実に持ち込むのではないかという不安はいつの時代にもありました。
それは、統合失調症の存在があるからではないかと思っています。

不安を煽るビジネスが成功するのは、不安障害があるからです。
人類の3割はなんらかの不安障害を抱えていると言われています。
そうした人たちにとって、統合失調症に子供がなるのではないかという不安はいつの時代にでもあるのです。

統合失調症はどの時代でも、「訳のわからないもの」として扱われていました。
そうしたものになるのは、何かのせいだと思い込みたい人は一定数存在するのです。

統合失調症の症状としては、「宇宙人の電波によって操られている」「第三次世界大戦がもうすぐ起きる」「大きな災害によって自分はいなくなってしまう」「誰かが自分に危害を与えようとしている」などの様々な妄想が実際に起きている事だと誤認してしまいます。

そうした妄想に振り回されながら生きているという事で、非常に大変なのです。

2.攻撃性が増す

これは自分が攻撃されているのではないかという妄想が多いためです。
防衛本能が働き、実際にはただの妄想なのに、攻撃されたから攻撃し返すなどの行動を起こし、結果として攻撃性が増す事は考えられます。

統合失調症の本人にとってはただ防衛しているだけなのですが、何も知らない周りの人にとっては攻撃性がある人だと思われてしまうわけですね。

3.妄想によって人格が破損される

人格というのは、選択でできています。
何を選択するか、何を考えた結果そういう選択をしたのかという事が人格を作ります。
そうした人格の元である妄想というものが破綻しているわけですから、妄想によって人格が破壊されるという事も考えられるわけです。

例えば常に誰かに悪口を言われているような妄想に陥った場合、人格は内向的なものになります。
誰かに攻撃されていると妄想すれば、攻撃的な人格になります。

妄想によって今ある人格が破壊されてしまう事は十分にあり得るのです。

さいごに…

妄想は人のアイデンティティーを構成するために必要なものです。
何を妄想しているかという事で、その人の価値が決まると言っても過言ではありません。

しかし、そうした妄想する力が暴走してしまっていたり、現実に持ち込んでしまったりすれば、それは社会生活を営む上で非常に不便なものになっています。
統合失調症の場合、そうした事が実際に起こり得るのです。

一度思い込んでしまった妄想を元に戻すには、時間がかかります。
何かのきっかけで元に戻る事もあるのですが、普通は時間をかけて修正していくものです。
私も中学生の頃に、「お前の部屋にカメラを仕掛けたから」と知人に言われ、その妄想が止まらなくなった事がありました。
しかし、その知人に何度も問い詰めたところ、ただの嘘だという言葉が聞けて、妄想を修正できたのです。

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