統合失調症における羅患数の推移

患者数統計

WHOのICD-10からの統合失調症を含め精神疾患に於ける患者数の統計結果(H8~H23年度)から推移を見ると鬱傾向の患者数は際立って増加が確認出来ます。
調査対象は外来及び入院(在院)数との合計が対象です。

又高齢化に伴う認知障害、アルツハイマーも着実に増加傾向が観て採れます。
統合失調症に限っては、羅患数自体に大きな変化は認められません。
しかし概ね75万人前後に上り、うつ病に続いて多くの割合を占めています。

入院状況

(H11~H23年度)精神科病床数は概ね(30万人+α)減少傾向にありますが大きな変化はありません。

精神科病床とその他(療養病床・一般病床)にも際立った現象は観て採れません。

入院患者数

統合失調症のケースが他の精神疾患と比較して入院総数が最も多くH8年度に於いては214000人です。

直近のH23年度では171000人と若干数の減少傾向が視られます。

入院期間(平均在院日数)

平均在院日数 = 年間在院患者延数 / 0.5 * (年間新入院患者数+年間退院患者数) で算出します。
平成1年度~23年度の推移では在院日数は減少の一途をだどり、H1年度の496日に対しH23年度では298日と約6ヶ月短縮しています。

精神科病院に於ける従事者の推移

精神科医・精神保険指定医・作業療法士・ソーシャルワーカー・臨床心理技術者・看護士・准看護士の定員の推移が対象で1996年~2010年度までの統計によると、看護士(44618人~67143人)・ソーシャルワーカー(2564人~7461人)・作業療法士(1773人~7374人)と増員傾向です。
他方、准看護士(45518人~42670人)は明らかに定員の減少が見て取れます。
その他、精神科医は概ね10000人弱、精神保険指定医は概ね6000人前後、臨床心理技師も概ね2000人前後と大きな定員変化は視られません。

従業者ひとり当たりの患者数

在院患者数の減少から従業者ひとり当たりの患者数も減少しています。
1996年度では看護士の場合一人当たり7~8人の患者を担当していましたが、上記で著した様に看護士増員傾向も反映し2010年度には4~5人程の負担軽減に至っています。
准看護士数の場合、定員も減少していた事から1996年~2010年度の負担量に変化は認めらず略6~7人前後のままと推移しています。

年齢別在院患者数

1998年~2010年度までは6~7割方、40~64歳が占め、1~2割方が20歳~39歳、残り2~3割方を64歳以上とで略形成されています。
尚、患者も高齢化が反映して、64歳以上の内でも75歳以上の患者数に増加傾向に在ります。

在院期間別在院患者数

全体の内、3割程が1~5年間の入院で占められています。
5年以上、10年以上、20年以上はそれぞれ2割程度で残り1割程度が1年未満の入院です。
1997年度から2010年の推移から長期入院数は若干の減少傾向が観られ、他方、1年未満の短期入院数には若干の増加が視られます。
在宅に於ける6月ディケア、訪問看護数は共に増加傾向があり、在院患者数の減少に反映されている様です。

新入院患者数

1995~2009年度までの推移から、緩やかな右肩上がりの傾向です。
特に2002~2004年度に掛けて増加傾斜が他年度の傾きよりも、急角度で(増人)視られます。
競争激化及びITバブルに陰りが見えてきた事による影響かどうかは、このデータから安易に判断出来ませんが、世相とは重なっています。
又1995~1996年度に掛けて極所的に右肩傾斜できつく成っています。
これも阪神大震災、1992年頃からの不況深刻化、地下鉄サリン事件などの社会的不穏な時代と重なります。

精神科に於けるケア

精神科に於けるケアは主に、下記のタイプが在ります。

  • ①ショート・ケア
  • ②ディ・ケア
  • ③ナイト・ケア
  • ④ディナイト・ケア
  • ⑤重度認知症ディ・ケア

1998年度の調査から2010年度に掛けてサービス需要が顕著に伸びているタイプは、ディ・ケアです。
その間35104~77625人と、2倍以上の進捗状況です。
又精神科ディ・ケアの利用者属性(居住地)の統計から略9割が在宅治療患者で占められています。
残り1割がグループホーム、ケア・ホームなど支援施設に居住している患者です。

同ケアの利用での症状属性から探ると7割強が統合失調症や妄想性障害などが占め略、横這いの増減で展開されています。
てんかんなど他の症例に於ける際だった変化は視られません。
同ケアの利用での年齢及び性別の属性からは、40~64歳の年代が最多で全体の5~6割程度を占めています。
高齢化の反映から40歳以上での利用者数は概ね増加傾向が観られます。
20~39歳、19歳未満の若年層の場合は減少傾向で推移しています。

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