点頭てんかん

点頭てんかんは、近年はウエスト症候群と呼ばれるようになりました。
通常は1才未満に発症します。

点頭てんかんの症状

発作の症状は、両腕を上げると同時に頭を前屈する、うなずくような動きで、1日に何度も起きます。

点頭てんかんの脳波

脳波検査をすると、激しい異常波が検出されるのが診断につながります。
点頭てんかんの治療の重要なポイントは早期診断、発症早期の治療開始です。

点頭てんかんの治療「ACTH」

治療はACTH(副腎皮質刺激ホルモン)という薬が第一選択として使われます。
出来るだけ早く使用し、副作用を減らすために少量で短期的に用いられています。
日本では作用時間の長く、副作用の少ない人工合成ACTHが多めに使われ、標準スケジュールとして最初の4週間は入院で2週間は1日1回の注射、3・4週は1日おき、5・6週は週2回、8週は1回で終了です。
8割くらいで発作は消失するものの、脳波異常は残るケースもあります。

点頭てんかんの予後

点頭てんかんは長い間、難治で知的障害を合併する予後不良のてんかんとされてきましたが、現在は早期治療で発作は抑えられ、知的障害を合併することも少なくなったという報告があります。
てんかんの原因は不明確な潜因性のタイプでは50%で正常な発達で、62%は発作が消失、32%が脳波が正常でした。
ACTHでの治療効果は知的予後と発作予後が良く、発症1ヶ月以内にACTHでの治療を開始したほうが発達が良かった、大量合成ACTH後プレドニゾン(内服薬)で治療し6年以上の経過追跡結果では発症1ヶ月以内に治療を開始した群では100%正常知能、1ヶ月以後に治療開始した群では40%が正常知能でした。
これらの結果から、点頭てんかんは早期治療によって「難治」ではなくなる可能性を秘めていると考えられています。

点頭てんかんの原因

原因は大きく2つにわかれています。

1つは、『原因不明』、2つ目は『症候性』です。
1つめの原因不明は、まさに字の通りで、病因がなくて、さらに検査の結果でも異常個所が見つからない場合を言います。
症候性の点頭てんかんに比べ予後は良いと考えられています。

2つ目の症候性は、脳疾患等の原因がわかっている場合です。
症候性の点頭てんかんの原因は以下のような病気があります。

  • 胎内(たいない)感染症
  • 先天性脳奇形
  • 先天性代謝異常症
  • 周産期障害
  • 新生児頭蓋内出血
  • 新生児低酸素性虚血性脳症
  • 結節性硬化症
  • 髄膜脳炎
  • 頭部外傷
  • 染色体異常症

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