脳梗塞の看護

脳梗塞の急性期

脳梗塞というのは、なってしまった本人ももちろん大変であり、後遺症が残ると精神的負担も身体的負担も大きなものになることは間違いありません。

しかし一方で本人だけの問題ではなく、脳梗塞になると、全面的に家族の介護、看護が必要になり、時には本人以上に家族の精神的負担、身体的負担も大きくなってしまう可能性があることも忘れてはいけません。

では、実際に症状が見られた時、どうするのがいいのでしょうか?
まず、意識を失った、倒れた、といった急性期の症状が見られた際はいち早く救急車を呼ぶことが重要です。
脳梗塞は発症から治療までの経過した時間が短ければ短いほど後遺症も少なく、使える有効な薬も増えます。
それこそ1時間単位で使える薬が変わってくるので、たとえ意識が戻ったとしても念のため早めに病院に行くことをおすすめします。
余裕がある場合は、どの部位でどのような症状がでているのかを確認し、きちんと医療関係者に伝えると治療が早まる可能性もあります。
「左足の感覚がないようです。」「右側の顔がひきつっています」「食事中に急に数秒意識がとんだように見えました。」といった家族からの言葉は意識を失っている本人の代弁者として大切な手がかりになります。

救急車
脳梗塞の急性期の症状が見られた際はいち早く救急車を呼ぶ

脳梗塞の後遺症と向き合う

脳梗塞の長期的な症状、後遺症として片麻痺、言語障害、感覚障害、意識障害といったものがあげられます。
特に片側の手足がしびれる、ろれつが回らなくなるといった症状は多くの脳梗塞患者に共通して見られる症状と言えます。
このような症状は脳から神経に命令がいかなくなってしまったため、神経が麻痺している状態、つまり神経系の症状がでています。
神経系の症状は薬での治療がなかなか難しく、後遺症を少しでも改善するためにリハビリを続けていくことが大切になります。
具体的には脳梗塞発症後、できるだけ早期からリハビリを開始することがその後の回復によい影響を与えます。
家族は積極的にリハビリに取り組めるようにサポートしていくことが大切です。
また、できるだけ寝たきりの状態や全く手足を動かさない状態を続けないことも大切です。
筋肉が弱まってしまったり、固く萎縮してしまったりすると、再び動かそうとしたときの負担が大きくなってしまうのです。
筋肉や関節は痛みがでないようにゆっくり動かし、筋力低下を防ぎましょう。

リハビリ
リハビリをしっかり行い、筋力低下を防ぎましょう

まとめ

脳梗塞は本人はもちろんのこと、家族や看護をする立場の人にとっても精神的、身体的負担が大きくなります。
急性期の脳梗塞は刻一刻と治療方法が変わっていくので、意識を失う、手足がしびれるといった症状が一時的なものであったとしても、念のために病院で検査することが大切です。
また慢性期のリハビリはできるだけ早期から開始し、寝たきりの状態で筋力低下、筋固縮がおこらないように、ゆっくりと関節、筋肉を動かしてあげることが大切です。

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