若年性アルツハイマーの症状(2)

若年性アルツハイマー病とは、65歳以下で発症するアルツハイマー病を指します。
40代から発症することもありますが、50代にも多く見られます。

病気そのものは、高齢者のアルツハイマー病と全く同じです。
脳の中に神経細胞を無くす物質が増え、脳機能がだんだんと衰えてきます。脳のあちこちで細胞が滅びるため、様々な症状が出てくるのです。

では、なぜ「若年性」という名がついているのでしょうか。
認知症自体、高齢者の認知症と若年性認知症は分けて考えられています。

認知症には、脳血管性やアルツハイマーなどいろいろな種類がありますが、基本的に発症理由は老化です。
患者の大半が高齢者のため、まれな若年性は分けて考えられているのです。
また若年性の場合、遺伝が大きな理由とも言われています。

また若年性と老年性を分ける理由は、生活の違いにあります。
50代、60代前半というと、仕事や人生の1番の踏ん張り時、親の介護などの心配もありますし、逆に老後の楽しみもあります。
よくも悪くも、今考え行動すべきこと、これからすべきことが多くある人生の充実期が、40代~60代前半です。

こういうときに、思考能力が奪われ、人格も壊れていく病気になると、どんな気持ちになるでしょう。落ち込みますね。

若年性アルツハイマーの初期症状

若年性認知症の初期症状は「うつ病」と大変似ているケースが多いのです。

記憶障害や疲労も出てきますが、それにより「仕事が出来ない」「いろいろなことが楽しめない」ということが起こります。

言語障害も症状の1つですが、「意欲が無い、もの忘れも多い、言葉が出て来ない、勘違いが多い」となると、近くにいる人は「疲れてるんじゃないか?休んだら」と、声をかけたくなりますよね。

逆にイライラしたり、多動になったり、性格が荒っぽくなることがあります。また頭痛やめまいなど体の不調も起きてきます。これも、うつ病と同じ症状です。

イライラ
イライラしたりすることは、アルツハイマーの初期症状ですが、うつ病と同じ症状です。

若年性アルツハイマーの進行

うつ病は、器質疾患ではなく、セロトニンの分泌不足など機能的な理由の病気です。
したがって、治療で治りますが、アルツハイマーは脳の器質疾患です。
病状はどんどん進んでいきます。
特効薬や劇的な治療方法もないので、早めに病名をはっきりさせて、薬やリハビリで進行を遅らせていくしかないのです。

症状が進むと「日付を忘れる」「どこにいるのか解らない」など、明らかにうつ病とは違う症状が出てきます。
また病気の進行が老年性より早いのも、若年性アルツハイマーの特徴です。

若年性アルツハイマーの場合、先にも書いたように、「現役世代」です。
焦る気持ちや、落ち込む気持ちは、老年性よりはるかに強くなります。

若年性アルツハイマーの不安

アルツハイマー病というのは、全く何も解らなくなる病気ではなく「自分自身の頭がおかしい」意識はある病気です。
しかし、それが何なのかは解らない、また相手に伝える方法も解らない、 全てが解らない状況の中「自分が変だ」ということは感じられるのです。

患者にしてみれば、不安のどん底です。
そのうえ、若年性の場合、発症~症状が進む課程で「バリバリやれていた自分」とのギャップに大きく苦しむことになります。

体力があるため、徘徊も多くなりますが、多動の理由は「しっかりしていた自分」を取り戻したい焦りです。

早めに病気を見つけると、このギャップを埋めることが出来ます。
最初は大きなショックを受けますが、早い段階では思考力がしっかりしているので、周囲の人間と「これから自分はどう生きていくのか」と言う相談が出来ますし、そう言うプロセスを経て、若年性アルツハイマーという病気が受け入れられるようになるのです。

うつ病と診断されても「何かがおかしい」と思ったら画像診断を受ければすぐに病気は見つかります。
病人に限らず「等身大の自分」を受け入れることが、人生を幸せにする方法なのです。

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