冬季型うつ病を防ぐには、『βーエンドルフィン』

βーエンドルフィンは脳内麻薬とも言われ、モルヒネの6.5倍以上の鎮痛効果があり、気分の高揚や幸福感誘発します。

β-エンドルフィンは大きく2つの場面の時に分泌されます。

  • (1) 生存にプラスになる行為を行う時。
  • (2) 身体的苦痛に伴うストレスを感じたり、持続する時。

わかりやすいのは(1) でしょうが、この物質の効果として説明に出される事が多いのは、何故か(2) に関わる事柄が圧倒的です。
つまりマラソン時のランニングハイと言う現象です。
つまり、マラソンなどで身体にとって苦しい状態が一定時間以上持続すると、そのストレスを軽減するために、脳下垂体でβ-エンドルフィンが分泌され、だんだん快感や陶酔感を覚えると言う、例のアレです。

マラソン

ですが、β-エンドルフィンを分泌させるために一々長時間汗水流して走らなければならないかというと、そのような事はありません。
むしろ(1) の方が場面としては多いくらいです。

なにしろ「生存にプラスになる行為」ですから、リラックスしている時や楽しいことをしている時にも出ます。

たとえば適度な運動。

軽いジョギングやウォーキングを、屋外の景色を眺めながらリラックスして行えばβ-エンドルフィンの分泌が促進されます。

美味しいものを、身体の維持亢進に必要な肉類・魚介・乳製品・大豆製品などのタンパク質を脂肪とともに摂取する事。
これで分泌されます。
原始時代のあのマンガ肉のイメージです。

マンガ肉

愛することもそれに入ります。
愛というのは元来、生存のためのエネルギーを意味し、それが個人の場合は生きていくための意欲とか元気になり、種族の場合は種族保存が生殖方面に雪崩れ込むという図式で、十分に「生存にプラスになる行為」の範疇に入ります。
家族や友人、そして異性などに愛を注ぐことでもβ-エンドルフィンは分泌されます。

人に限らず何かを愛でると「幸福な気分」になるのは、このような作用があるからなのです。

たとえば、一定時間声を上げ続けることも入ります。
現代でも現世ヒト種と同じ生業で生きているアフリカ南部の狩猟民族は狩りで獲物を追う時に大声を掛け合っています。
別に狩りの必要はありません。
メロディーとリズムの調和である歌を歌うのもアリですし、β-エンドルフィンのなせる業です。

やりたい事をやっている時にもβ-エンドルフィンは分泌します。

趣味に打ち込む時の得も言われぬ幸福感。

「忙しい」とか「疲れた」とか「もう限界」とか言いつつ、働き続けるワーカーホリックの方々。

「生存にプラスになる行為」の範疇に入る行為です。

(2) の「身体的苦痛に伴うストレス」で言えば、病的なものには自傷行為を挙げることができます。

何もなくともβ-エンドルフィンを分泌する方法があります。
親しい友人と冗談を言って笑い合うことです。

冬季型うつに限らず、うつ病全般において、最大の予防法はそれなのかもしれません。

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