子供が偏頭痛の発作に襲われた時の応急処置

小学校・中学校・高校と保健室のお世話になりっぱなしだったと言う知り合いがいました。

その原因は頭痛だったそうです。
同業他社の女性の方で、何の話の流れかは忘れてしまいましたが、小学生のころは不定期に、それ以降は月に1度、額からコメカミにかけて割れるような痛みに襲われて何もできなかったと言うのです。

今から30年以上前の話なのですが、あの時は、というよりもつい最近まで頭痛に関して全く無知だったので、そのあたりはマルッキリ忘却の彼方でした。

「子供が頭痛!?」
と言うのが当時の筆者の反応でした。
それまで頭痛と言えば、日本酒と銘打った粗悪な三倍醸造品をガブ呑みした翌日に経験したぐらいなもので、大人には飲み会の翌朝は頭痛が付き物と言う印象がありました。

本人が言うには、「授業中にいきなり痛くなって、保健室行きを願い出ても『さぼるつもりか』と叱られるは、保健室へ行けても『熱がないので』ともどされたり、ひどい扱い」だったり、「体育で準備運動が終わって体が温まるころにドカンドカンと頭痛がやってきて体操着姿のまま保健室にかつぎこまれた」と言うことで、間違えようのない偏頭痛です。

1970年代の偏頭痛少女にとって学校とはかなり大変なところではあったようで、
「こんなに辛いのに誰もわかってくれない。
両親を含めて大人に対する不信感で一杯だった。
特に中年以降(当時)の男の先生は何かと言うと『なまけ病』とか『ぜいたく病』とかありもしない病名を言い立てて」と怨み節は果てしなく続いたものでした。

子供の偏頭痛の特徴を箇条書きにすると以下のようになります。

  • (1) いきなり始まる
  • (2) 短時間でケロリと治る事が多い
  • (3) 両側性である事が多い
  • (4) 嘔吐・腹痛と言った腹部症状が出やすい
  • (5) 光・音・においに過敏になる

(1) と(2) に関しては、短時間とは言え、頭痛があると辛いものです。
それがいきなり治ってしまうとなると、小児科にでも行かないかぎりは、診断が難しいと思います。
周囲の理解がないと、「なにをふざけて」とか「そんなにめだちたいか」というある種の大人たちの怒りと叱責を引き出しかねません。
光や音に対する過敏症に至っては、症状を周囲にうまく伝える表現力がないだけに、サボっていると捉えて暴力的な態度を取る大人が必ずいます。

不登校の原因が偏頭痛だった……なんて事もあるようです。

誘因として上げられるのは
寝すぎや睡眠不足などの生活リズムの乱れ
空腹や低血糖などの食事の乱れ
チョコレートやチーズなどの脂肪過多の食品
人混みなどの空気の悪い場所
テレビゲームなどの強い光や音
気圧・気温の急激な変化

等々で、チョコレートやテレビゲームは子供らしいと言えるのでしょうが、大人と子供とを問わず、最大の誘因は「強いストレス」と言うものです。

大人から見れば「子供のストレス?どこが?」となりそうですが、子供ににとって学校は重大なストレス源です。
勉強は無論のこと、人間関係(スクール内カーストとかイジメとか)、先生、校則と数え上げればゾロゾロ出てきます。

ここで素直にドロップアウトしちゃったり、突っ張ってみたりなどできる子供は、将来は知らず、今を何とかやり過ごす事ができますが、問題はそのストレスを正面からまじめに受け止める良い子ちゃんたちです。
落ちこぼれもせず、突っ張りもせず、だからと言って前2者に比べて強いと言うわけでもなく、ただただ内部にためこむばかりで、最後には自家中毒や過敏性大腸症候群、そして偏頭痛と言う身体症状として発現します。

心因性の病気になってしまうというわけです。

子供が偏頭痛の発作に襲われた時の応急処置

  • (1) 最寄の小児科へ連れて行く
  • (2) 部屋を暗くして安静にさせる
  • (3) 患部を冷やす

できれば(1) を最優先です。
小児科の手に余るものであっても、症状にあわせた頭痛専門の病院を紹介してくれるはずです。

子供が偏頭痛もちである事が判明した時の対処法が米国家庭医学会(AAFP)から発表されています。

  • (1) 規則正しく食事をさせる
  • (2) 睡眠を規則正しいタイムスケジュールで取らせる
  • (3) 毎日運動させる。ただし、させすぎてはいけない
  • (4) 子供の偏頭痛の誘因を把握し、その誘因を避けるようにする
  • (5) ストレス・過度に激しい運動・気温や気圧(高度)の変化などが、イレギュラーな偏頭痛の誘因である
  • (6) 偏頭痛の誘因となる食物は避ける

例:チョコレート・チーズ・加工肉(ハム・ソーセージ)・カフェイン・ナッツ類・グルタミン酸ナトリウム(味の素)が大量に入った料理

アメリカだろうが日本だろうが、霊長目狭鼻亜目ヒト上科ヒト属ヒトである限りは、偏頭痛持ちの苦しみは共通しています。
特に偏頭痛は生活支障度の高い病気なので、避けられる方法があればキチンと講じてあげるのが大人の役割です。

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皆様の偏頭痛が少しでも和らぎますように。

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