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デパスの副作用(眠気・倦怠感・ふらつき・物忘れ)

眠気・倦怠感・ふらつき

デパスの効果と副作用に記したデパスの機能の中で気をつけなければならないのは、強い催眠作用と筋弛緩作用です。

これらが働き過ぎると、次のような症状が副作用として現れます。

  • 催眠作用で眠気が生じる
  • 筋弛緩作用で、ふらつき・転倒が起こりやすくなる

もともと足腰の弱い方や高齢者の方は注意すべきです。

階段の昇降時や不安定な姿勢の時にこのような状態になれば、思わぬ怪我を招くことになります。

それまで感じたことのない強烈な眠気に襲われたらデパスの副作用を疑うべきです。

もし服用し始めて間もないならば、「様子を見てみる」のも対応法の1つです。
何故なら、薬剤は「慣れる」と言うことがあるからです。
様子見が可能な程度の眠気やだるさであれば、1~2週間様子を見ることも必要です。
半数以上がこの方法で副作用の改善を見ることができています。

それでも眠気が改善しない場合は、服用量を減らすことです。
一般的に服用量を減らせば作用も副作用も弱まります。
抗不安作用が弱まるというデメリットはありありますが、副作用がきつすぎる場合には仕方ありません。
たとえば、デパス1.0mg/日の内服量を0.5mg/日に減らすなどの調節を試みて様子を見ることをおすすめします。

それとも、薬剤を変えてみる、と言う方法もあります。
より催眠作用と筋弛緩作用が少ない抗不安薬に変更すると、症状の改善を得られる可能性があります。
ただし、どの抗不安薬にも多かれ少なかれ、催眠作用と筋弛緩作用はあります。
どの抗不安薬に変更するかは、必ず医師と相談してから決定してください。

物忘れ

デパスに限らず、ベンゾジアゼピン系の薬剤は心身をリラックスさせる働きがあります。
それが強く効き過ぎると、頭がボーッとしてしまい、物忘れがひどくなることがあります。

じっさい、ベンゾジアゼピン系の薬剤を長期間にわたって服用し続けている高齢者は、認知症を発症しやすくなる、と言う臨床報告があります。

2014年9月に Sophie Billioti de Gage氏らがBMJ(British Medical Journal)誌での報告です。

彼らはベンゾジアゼピン系薬剤投与とアルツハイマー型認知症発症の関係を調べるために、カナダのケベック州の66歳以上の高齢者(アルツハイマー型認知症患者1796名、比較対象者8784名)を対象に調査を行いました。

結論から紹介すると、「ベンゾジアゼピン系のお薬を投与されている高齢者は、そうでない高齢者と比べて43~51%ほどもアルツハイマー型認知症になりやすい。

また、ベンゾジアゼピン系の使用量が多く、使用歴が長いほど、アルツハイマー型認知症になるリスクが高くなる。」と言う事でした。

心身がリラックスして緊張がほぐれるのは良いことですが、それを薬剤で実現し、その代償として日常生活に支障をきたすほどの物忘れが出るようであれば、服用量を減らすか別な薬剤に変更する必要があります。
もっとも、そこまで薬剤の影響を受けていたら、変更は至難の業になるのですが。

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