緊張型頭痛が起きる原因とメカニズム

緊張型頭痛は、後頭部から首筋にかけて、重苦しい感じや締め付けられるような圧迫感をともなう頭痛が生じるのが特徴です。
偏頭痛のように、ズキズキするような拍動性のある痛みや、寝込むほどの強烈な痛みではなく、吐き気や光・音過敏を伴うものでもありません。

特徴として、下記にあるとおり偏頭痛とは違うと判別できます。

  • 後頭部を中心に両側が痛む。
  • 重苦しい感じや締め付けられるような痛み。
  • 首や肩のこりをともなうことが多い。
  • 動いても痛みは悪化しない。
  • 吐き気や光・音過敏がない。

一口に緊張型頭痛といいますが、時々起こるタイプ(反復性緊張型頭痛)と、ほぼ毎日痛みがあるタイプ(慢性緊張月頭痛)の2つにわけられます。

反復性緊張型頭痛と慢性緊張型頭痛では、発症するメカニズムが異なると考えられています。

反復性緊張型頭痛は頭や首・肩の筋肉の緊張から起こることが多いと考えられています。

  • (1) 長期間の同じ体勢や無理な姿勢の持続により、首や頭の筋肉に負担がかかります。
  • (2) 筋肉の緊張が高まることで筋肉の血行が悪くなり、血管に老廃物がたまります。
  • (3) 老廃物がたまった部分を中心に炎症が起こり、痛み物質であるプロスタグランジンなどが生産されます。
  • (4) 痛み物質が神経を刺激し、頭痛の発症とつながっていきます。

現代で最も多い反復性緊張型頭痛の原因としてはパソコン仕事でしょうか。

パソコンのモニター画面を睨みながら両手でキーボードを打ち、右手でマウスを回し、と言う動作を9:00から17:00まで行う、と言うのは作業としては軽作業の部類ではありますが、頭から首筋・肩・背中の筋肉に与える負担はけして軽いものではありません。

また、パソコンでなく、スマートフォンでも同じ症状が出ます。
パソコンとは違って携帯可能なので、時と所を選ばずに仕事やゲームに没頭し、気がつけば首こりと肩こりと頭を締め付ける頭痛で身動きが取れなくなる自分を発見すると言う事になります。

特に首筋の筋肉が弱い人ほど、頭部をガッチリと固定して支える事ができないためか、緊張型頭痛を引き起こしやすい傾向があるようです。
そのため、男性よりも筋肉の弱い女性の方が発症率が高いようです。

慢性緊張型頭痛の原因は、21世紀に入って最初の1/5を迎えようとしていると言うのに、いまだはっきりとした原因を解明されないでいます。
これは偏頭痛ほどに重篤な症状が発現しないのが原因と思われますが、次の仮説が流布しています。

強い不安や緊張などの精神的ストレス

強い不安や緊張などの精神的ストレスにより、無意識のうちに頭・首筋・肩などの筋肉の緊張が続きます。

もともと私たちヒトという生き物が強いストレスに直面したとき、どのような行動をとったかを思い起こしていただければ想像がつくでしょうか。
過去に遡る必要はありません。
アフリカ南部のカラハリ砂漠で、昔ながらの狩猟採取生活を営むるサン族の男たちは、数人のバンドで狩りを行います。
一日中獲物を探し、追跡し、闘って仕留めると言う動作にともなって始終早歩きとランニングです。
あるいは狩りの途中で不意にライオンやヒョウのような猛獣のテリトリーに足を踏み入れる失策を犯すこともあります。
その時どうするか。
闘うか逃げるかです。
いずれにせよ、全身の筋肉をフルに動かさなければ生き伸びることができません。
私たちは強い精神ストレスに遭遇した時、自律神経は交感神経系が全開に働き、ノルアドレナリン急速分泌・アドレナリン大放出で、筋肉が活動スタンバイ状態になる生き物なのです。

ですから、反復性緊張型頭痛のように直接的に負担がかからずとも、精神的ストレスで十分に筋肉に負荷がかかります。

人気の記事

サイトリンク

免責事項