偏頭痛で眼の奥が痛むときの対処方法

ある日突然「眼の奥が痛い!」と言う症状が現れた事があります。

眼の奥が心臓の拍動に合わせてズキンズキンと来る痛みです。

目

その時に脳裏に浮かんだのは眼球の断面図です。
眼球の内側の網膜・その後ろの視神経の束・眼球内を満たすガラス体……眼の病気でこんなに痛いのがあったっけ、と脳内の眼の病気に関する情報を検索します。
結膜炎は眼の表面だし、白内障や緑内障は眼が見えなくなる病気だけど「痛い病気」ではない。
神経痛かと思ったが「神経自体には痛みはありません」と健康番組でも言っていたし、その2年前に事故の巻き添えを食らって左眼が失明(視神経損傷が原因)したときも痛みはなかったし。

で、当時の同僚に眼の奥の痛みを訴えたら、「病気の博物館」を自称するその人は、「そいつは偏頭痛の変種だ」と言いました。

「ヘンズツウ?」
「知らないか。頭の片方がいきなり痛み出すやつ」
「はあ……」
「冷やせば治るよ」

と言うことで右目からこめかみを濡れ手ぬぐいで冷やすと20分もかからないうちに痛みが消えました。

その時初めて「偏頭痛」と言う痛みを経験し、言葉をあらためて認識しました。

「眼の使いすぎだね」と言われましたが、それは確かなことで、前々年の11月13日の金曜日に左眼を失明して以来右眼ひとつで生きてきて、おまけに勤めている会社でパソコン+ワープロ+スプレッドシートのできる人間は私しかいなかったので、仕事が集中していました。
むろん本業は塾講師ですから、パソコン仕事はスプレッドシート関係はわずかながら一時金が出ましたがワープロ関係は0でした。
ともあれ、その後何度か経験するうちに「眼の奥の痛み」には兆候があって、その時点で冷やすと、あのとんでもない痛みは起こらない事に気がつきまして、以来「眼の奥の痛み」とは無縁に暮らしていました。

さて、偏頭痛で眼の奥が痛むのはなぜでしょう。

その前に偏頭痛の特長と原因をまとめてみます。

偏頭痛の特長と原因

特徴
  • 拍動性(脈拍に合わせてズキンズキン)
  • 頭の片側が痛む(両側の場合もある)
  • 痛みのピークに吐き気がすることも
  • 前兆がある場合も 閃輝暗転(星がチカチカ)
原因

脳内の血管が拡張して周囲の神経が引っ張られて痛みが起きます。

一口に「脳内の血管が拡張」といってもその引き金は何種類かあります。

  • 睡眠不足などの生活の乱れ
  • 緊張状態から解放された時
  • 雑踏・人ごみ
  • 低気圧の接近
  • 女性の生理

上記などなど、様々な理由で自律神経のバランスが失調して副交感神経のはたらきが過剰になることによって全身の血管が拡張し、特に脳内の血管が拡張すると、神経細胞や神経繊維の塊ですからそれらが炎症を起こし、その刺激が大脳の痛覚中枢を直撃することによって偏頭痛の発作が起こると言うメカニズムです。

寝不足

偏頭痛で眼の奥が痛むのは、偏頭痛発症のメカニズムに関連しています。
つまり、上記のように偏頭痛の時は脳内、特に側頭部の血管が拡張しています。

そして拡張した血管が神経を圧迫して偏頭痛となるのですが、脳と眼の神経である視神経はつながっています。
なにしろヒトが胎内で発生を開始して早々の時期に、発達しつつある脳の一部が最寄りの表皮に接触してレンズを作るところから眼球の形成が始まるのですから、視神経は中枢神経の一部と言っても過言ではありません。
その証拠に視神経は一度損傷すると回復することはないのです。

ともあれ、脳が偏頭痛を発症するような状況になれば眼の奥の視神経もその影響を受けるのは、避けようがありません。
その結果偏頭痛にともなって眼の奥が痛むと言うことになります。

したがて、眼の奥の痛みを解消するには、偏頭痛の解消が根本的な解決法と言うことになります。
では偏頭痛の解消、すなわち治療法はとなりますと、最も確実なのは評判良い脳神経科の頭痛外来を受診することです。
処方される薬としてはトリプタン系薬剤かエルゴタミン系薬剤などがありますが、医師の指示通り服用しましょう。
間違えても数カ所の頭痛外来から薬を処方してもらって乱用するのは避けましょう。
別なタイプの頭痛である緊張型頭痛に襲われることになりまし、ものによっては見なくても良いものを見ることになるかも知れません。
そうなると病(やまい)は頭痛の範疇を越えて別な科の病院の受診が必要になる場合がありますのでご注意を。
それは市販のの頭痛薬でも言えることでして、くれぐれも薬の注意書きを熟読の上の乱用は避けてください。

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