統合失調症の4つの幻聴タイプ

統合失調症の症状として幻聴があります。
よくテレビドラマなどで取り上げられる幻視はほとんどの場合ありません。
余程重度の統合失調症でない限り、幻聴のみです。
その幻聴にも幾つかのタイプがあります。

統合失調症と幻聴は切っても切れない関係にあります。
幻聴というものは、精神疾患の象徴ともいえるような症状かもしれませんが、統合失調症にはよくある症状の一つです。
そして、自分は病気だとはっきりと自覚できるものでもあるので、重要な要素となります。

1.幻聴だとわかっている幻聴

これはわかっていれば症状が軽いというわけではありません。
常に自分を攻撃している声が聞こえてくるわけですので、幻聴だとわかっていても、「現実のような気がする」という幻聴に変わる場合もあります。

こうした幻聴だとわかっている幻聴というものは、支離滅裂なものではなく、一貫性を持って自分を攻撃しているような内容である事が多いです。

知り合いの統合失調症の人は、「なんで自分はこんな状況になっているんだ」などという後悔の声がずっと聞こえるという話をしていたので、そうした自分の深層心理に関わる内容が聞こえてくる事もあるそうです。

2.幻聴だとわからない幻聴

例えば人ごみの中にいて、その人ごみの中から自分の悪口が聞こえてくる、といったようなパターンが多いです。
人ごみの騒音というのは、色んな声を拾ってきます。
その中で、自分の悪口を言っている声があってもおかしくはありません。
しかし、毎回そうした声が聞こえてくるというのはあり得ない事です。

そのあり得ない事であるという認識がなくなってしまう幻聴は厄介です。

幻聴だとわかっていない分、毎回ずっしりと自分に伸し掛かってきます。
「自分は悪口を言われるような人間なんだ」と思い込み、幻聴によって生活の様々な場面で影響をもたらします。

また、隣の家から悪口が聞こえてくるなどの現象から、特定の属性に対して強い恨みを持ってしまう事も考えられます。

3.幻聴と被害妄想が交わっている幻聴

これが1番厄介です。

例えば幻聴を宇宙人からの侵略メッセージだと受け取る事もできます。

自分は誰にでも恨みを抱かれる人物であり、そうした人物だから「悪口」という幻聴を毎回言われても仕方がないと思ったり、自分は大きな組織に狙われており集団的に自分を攻撃するように仕向けられているなどと思い込んだり、様々な被害妄想を抱くようになり、その根源が幻聴なので、自由自在に変化する事ができます。

4.会話ができる幻聴

幻聴の形というのは千差万別あり、中には漫画のように幻聴と会話ができるタイプの幻聴もあります。
しかし、これはずっと続くわけではなく、幻聴が聞こえてくる中で偶発的に起こったり、ふとしたきっかけで会話が通じてしまったりしたというケースがほとんどです。

  • 「お前は身勝手で周りに迷惑しかかけない人間だ」
  • 「うるさい!」
  • 「お前はそう言うが、本当に私の声について考えた事があるのか?」

といったような、反射的に発した言葉から、反応があるという感じで会話が成立してしまうというものが多いのです。

日常的に幻聴と会話をしているという人はかなりの少数派に属するかと思います。

いずれにしても幻聴と会話ができるようになってしまったら統合失調症としてかなりの重度でありますし、多重人格を併発している場合もありますので、お医者さんに相談して投薬治療を行うべきでしょう。

さいごに…

統合失調症の幻聴は、本人としては悩みどころが大きいものです。
声という現実的なものが非現実的に起こるわけですので、かなりの苦しみを伴います。
まずは投薬治療を受け、そして幻聴を抑えていく事が重要になってくるかと思います。

人気の記事

サイトリンク

免責事項