くも膜下出血と遺伝

くも膜下出血は、病気の中でも亡くなる確率が高い病気として知られています。
くも膜下出血の多くは、脳動脈瘤というコブが破裂することによって引き起こされます。
残りの原因は、事故などによって頭を強く打った時の頭部外傷によるものや、脳動静脈の奇形によるものがありますが、これらは稀なケースです。

脳動脈瘤の破裂によるくも膜下出血は、遺伝性が高いと言われています。

ここではくも膜下出血と遺伝について解説します。

脳動脈瘤ができるのは遺伝?

くも膜下出血の原因ともなり得る、脳動脈瘤。これは、脳の血管のにできるコブのことです。
全人口の1~3%もの人にこの脳動脈瘤ができているのだそうですが、脳動脈瘤自体が悪いわけではありません。
実際に、この脳動脈瘤がある人の中で、くも膜下出血を発症する人は1年間のうちにほぼ1%ほどだと言われています。

ただ、この脳動脈瘤が大きくなっていくと破裂し、くも膜下出血が引き起こされることになるので注意が必要なのです。

さて、この脳動脈瘤ができる原因については、今のところはっきりとしたことが分かっていません。
分かっているのは、遺伝的な要素や先天的なものが影響するということです。
それで、家族や親族に脳動脈瘤が見られる人は、脳動脈瘤ができているということが少なくありません。

くも膜下出血と遺伝との関係

くも膜下出血や脳梗塞などの経験者が家族や親族にいる場合、くも膜下出血を発症するリスクが通常の2倍以上高くなりますから、くも膜下出血は遺伝性が高い病気といえます。

とはいえ、くも膜下出血という病気そのものが遺伝するのではなく、くも膜下出血が起きやすい危険因子となるものが遺伝するために、くも膜下出血を発症する可能性が高くなってしまうのです。

例えば、くも膜下出血の危険因子の1つに高血圧があります。
血圧の上昇によって、脳動脈瘤が圧迫され破裂することでくも膜下出血は引き起こされることは少なくありません。
高血圧症も遺伝しやすいものですから、親族に高血圧の人がいれば、その体質を受け継いでる可能性があります。
そうすると、くも膜下出血を発症しやすくなります。

遺伝的に膜下出血になりやすいと思われる場合の対処法

家族や親族にくも膜下出血を患った人がいるとしても、病気そのものが遺伝するわけではありません。
しかし、病気になりやすい体質は受け継いでいるということですから、しっかりと予防をすることで、くも膜下出血の発症のリスクを最小限に抑えることができます。

具体的には次のような予防法があります。

  • 高血圧の人は、血圧の管理をしっかりと行なう
  • 喫煙をやめる
  • 塩分を摂り過ぎない
  • お酒は血圧を上げるので控えめにする

予防することで、脳動脈瘤が破裂するリスクを減らすことができるので、遺伝的にくも膜下出血を起こしやすいと思われる人はしっかりと予防を行なうようにしましょう。

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