更年期における緊張型頭痛

閉経を迎える5年間、40代後半から50代前半にかけて、頭痛の症状を訴える方は、60~70%に上ると言われています。
頭痛は更年期障害における症状の1つです。
なぜ更年期には頭痛が起こりやすいのでしょうか。
それを解明できれば早めの対策を行うことができるはずです。

頭痛は大きくは下記の2つに大別できます。

  • 病変性頭痛
  • 機能性頭痛

病変性頭痛

病変性頭痛には、脳腫瘍やクモ膜下出血・脳梗塞・脳溢血などの脳の病気を原因とする頭痛があります。

手足の麻痺や痺れ、呂律が回らない・顔面感覚麻痺、後頭部の強い痛み・発熱などが伴ったら、上記の疾患の危険性があります。
躊躇なく最寄りの神経外科に直行しましょう。
その手段は問いません。
緊急事態なので。

機能性頭痛

機能性頭痛は上記の病変性頭痛ほど緊急性はありませんが、生活の質(quarity of life)を損なう疾患であることは否定できません。

これは3つに大別することができます。

  • 緊張型頭痛
  • 偏頭痛
  • 群発型頭痛

これらの中でも更年期に現れる頭痛が緊張型頭痛です。

更年期における緊張型頭痛の原因

更年期における緊張型頭痛の原因として、女性ホルモン(エストロゲン)の減少が関係しており、ホルモンバランスが崩れることで自律神経も乱れ、脳への血液の供給が不安定になったり、頭蓋骨を包む筋肉や膜が異常に収縮することが、上げられます。

それだけでなく、肩凝りや眼精疲労、ストレスなどにより引き起こされるのは周知のことです。

更年期における緊張型頭痛の症状

症状としては、偏頭痛のような激しい痛みはないにしても、「きつい帽子で頭全体を染め付けられるような」と言うような痛みが長時間に渡って続きます。
「孫悟空の輪っか」などと言う、ユーモラスなようでその厳しさに粛然とさせられるような表現もあります。

また、更年期の緊張型頭痛の特徴としては、頭痛単独でなく、イライラや疲労感、のぼせや火照り、目眩、嘔吐感などをともなって発症します、 夕方にかけて痛みは強まり、横になって安静にしていると治まる事が多いと言う傾向があります。

更年期における緊張型頭痛の対処法

緊張型頭痛の対処法として、真っ先に上げられるのが頭痛薬の服用です。

ですが、「クスリはリスク」と言う格言があるほど薬剤の薬効と副作用は切っても切れない関係にあります。

症状が軽いうちはなるべく薬剤の服用を避けて対処しましょう。

緊張型頭痛の直接の原因は頭蓋骨を包む筋肉の緊張であり、その引き金となる肩凝りや首凝りなので、次のような対処法を試してみましょう。

筋肉を動かす
ホルモンバランスが崩れて血流が滞ると、肩や首が凝るなど、筋肉が緊張します。
この筋肉の緊張や眼精疲労が緊張型頭痛の引き金になり、また頭痛を悪化させる要因になります。
そのため、硬く強張った筋肉をほぐす事を考えましょう。
長時間の同じ姿勢は避けて、眼と筋肉を休ませるようにします。
ストレッチとかウォーキング、軽いジョギングなどがおすすめです。
冷えを防止して体を温める。
筋肉の緊張はストレスやデスクワークだけでなく、足腰が冷えることでも発生します。
更年期になると冷え性になる方が増加するので、常に冷え防止対策は講じておくべきです。
特に下半身が冷えないように、靴下・タイツ・カイロなどで温めることを心がけましょう。
夏場も油断は禁物と言いましょうか、夏場こそ気をつけましょう。
エアコンのお陰でオフィスが冬場よりも冷えてしまう事も十分にありがちな事です。
暑がりの人がスーツを着込んだまま設定温度を下げ始めたら、そこは極寒地獄です。
ひざ掛けやダウン製足覆などは常備、靴下・カーディガンは持ち歩き、業務前後に制服に着替えるならシャツを下に着込むなどして対策を行いましょう。
入浴
入浴をシャワーで済ませてしまっている方もいらっしゃいますが、それは入浴とは言えず、知らず知らずのうちに冷えを身体に溜め込んでしまっている可能性があります。
特に夏場はシャワーで済ませがちですが、昼間オフィスのエアコンで冷え切った身体を温める事のないままにしておくと、それが元で血行不良から緊張型頭痛につながる事がままあります。
一日の終りに、1時間も湯船に浸かりっぱなし、とまでは行かずとも、湯船にゆったりと浸かれば身体の芯から温まるだけでなく、心身ともにリラックスできます。

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