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理由が判然としない怒りは統合失調症の初期症状である可能性も…

理由が判然としないイライラは統合失調症の初期症状(陽性症状)の症状である可能性も否定出来ません。
前駆期は本人自身も含め家族や周囲の人々も精神状態の異常として認知してない場合が殆どで、症状の進行に伴って患者はそのイライラの理由を無意識の内に探求し自らを苦しめる非現実的な対象を創造し幻聴や妄想と現実との境界が曖昧に成っていきます。
この段階で周囲の人は患者の人格変化に気付き始めます。
しかし当人は周囲に比べ変化に気付かないケースが多く仮に「周りから怒りっぽいなど」と言われた場合は一度立ち止まって生活など見直す必要があります。
知らず知らずにアルコール量が増えているなどの小さな変化にも留意し、周囲からの勧めがあった場合など、それを懐疑的に思っても早めの受診が望まれます。

攻撃性は他者に向かう場合の他、自傷という形で現れます。
かつてはこれらの症状を以って精神分裂症(分裂病)と定義してきました。
精神分裂という病名だけを聴くと一般的には重症化した一部のケースや事件・事故などで深刻度が誇張され、実態に則しない患者への身構え、恐怖感、偏見の環境を構築し、結果的に患者の症状悪化をむしろ促してしまう状況にありました。
そこで2002年に分裂病を統合失調症と名称が改められました。
又、[躁うつ]という特定した症状として分別するのではなく、陽性症状・陰性症状として統合失調症のプロセス的解釈へと収斂されていきます。
心理学的に怒りとは「自己愛」「利得」「置き換え」「批評」「扇動」の原因要素によって誰にでも発生する現象です。

統合失調症の場合に限らずイライラする事は誰にでもある症状です。
直接の原因は人により様々ですが共通して言える事は自分にとって不本意な状態に晒されていると言う主観に基づいた症状です。
問題は堪えどころとイライラの内容です。
殊に何事にも過敏で怒りっぽい性格の人は、周囲のちょっとした物音にも敏感に(易刺激性)反応して、それがイライラの元に成ります。
場違いにも不機嫌そうな大声で発言・怒声(易怒性)を発したり、塞ぎ込んでろくに返事もしない事があります。
これらは強くストレスを抱えている状態を指しますが、その状態に置かれた本人が何故ストレスが生じるのか真の原因として納得できる答えを持っていない事が一層、ストレスを蓄積する事に成ります。

  • ケース①
    公共機関を用いて旅行や移動中に事故に遭遇し明確な説明もなしに放置されている場合、誰でもイライラする筈です。
  • ケース②
    部屋に引き篭もっっている人の心情は安らぎを抱くどころか自らの無力感や親の育て方など上辺の責任転嫁で不甲斐ない現状を受け止めようと試み安住を求めますが、本質的な原因ではない事は本能的に判っている為、慢性的な不安やストレスからの開放は期待出来ません。

①②の現象として同じイライラや不安や恐怖感は、制限された①の状況から起因する場合と②の様な原因が神経系の不調からくる場合とに分ける事が出来ます。

易刺激性・易怒性の多くはその人の持って生まれた性質ではなく、精神障害の場合など外的要因も多いと思われます。
例えば統合失調症以外にも認知症や高血圧による脳血管障害、脳腫瘍などが原因で性格が変わる事もあります。
慢性的で過度なアルコール飲酒や覚せい剤などの薬物の吸引なども、酔いから覚めた状態であっても日常的に易怒性へ人格を変化させます。
統合失調症の場合は刺激を増幅させる幻聴・妄想が怒りの原因です。
これらの共通して見られる症状は安易な注意など患者本人に批判をしようもなら割に合わない強い怒りを持った抵抗反応が返ってきます。
かつては、うつ状態に有効なセロトニン阻害剤の投薬に於いても分量が不適切な場合、逆にドーパミンの過剰分泌に刺激され易怒性を患うケースも稀に観られました。

PTSDにも関係する脅迫性障害は過去の辛い記憶や体現が潜在意識の中に強制収納され、何かのきっかけで遅効性を持って現れる現象で生活上に於いて執拗に手を何度も洗う等の奇行が現れたり、周囲や家族がその奇行を指摘したり阻止したり、不用意に介入すると、普段柔和な人が急に易怒性に変化する場合もあります。
その他、対人恐怖などを患うサブパーソナリティ障害患者や摂食障害や過食嘔吐障害の患者にも易怒性が伴う場合が在ります。

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