若年性アルツハイマーは完治する?

アルツハイマー病が恐れられているのは「完治せず、どんどん進行していき、最後には人格破壊してしまう」というイメージのせいでしょう。

残念ながら、この話はそのとおりなのです。特に若年性アルツハイマーの場合は、進行速度が早いのが特徴です。

しかし、絶望することはありません。
まず、発症の予防がかなりの確率で可能なのです。

  • 1.運動する、社会活動をする(脳の活性化)
  • 2.DHA(青魚などに含まれる成分、抗炎症作用があり神経細胞の亡失を抑える効果あり)野菜、果物(ビタミンCなどにストレス耐久成分、抗炎症成分あり)コーヒー、緑茶(カフェインに認知症抑制効果があると言われている)の摂取
  • 3.適度な飲酒(アルツハイマーの原因となる物質の蓄積を妨げる)
運動
運動は脳の活性化を促し、アルツハイマーに効果的

上記の方法は、発症してからも進行を遅らせます。他にも最近の研究でどんどんいろいろな説が出てきています。
若年性アルツハイマーの場合、特に遺伝性のケースが多いと言われています。
早めに予防を心がけるとよいでしょう。ただしあまり神経質にならないように。

進行を遅らせる薬

発症してからは進行を遅らせる薬による治療を行います。先に書いたように完治はしません。主な薬物治療を紹介します。

主な薬
商品名:アリセプト(成分名 ドネペジル)
作用:神経物質アセチルコリンの濃度を上げる、1番メジャーな薬。軽度~重度まで使用される
商品名:レミニール(成分名 ガランタミン)
作用:アリセプトとほぼ同じ、軽度~中度の場合に使用
商品名:エクセロン(イクセロン)(成分名 リバスチグミン)
作用:上記2つに同じだが、貼り薬がある。
商品名:メマリー(成分名;メランチン)
作用:神経細胞を保護する。主に中度以上、重度の場合に使用

アルツハイマーの治療薬は、おおむね上記の薬を使います。
基本的に進行を抑える薬です。病状に応じて薬が追加されたり、変更されたりします。

若年性アルツハイマーの症状

また若年性アルツハイマーは、高齢者に比べ、うつ状態が強く出る傾向にあります。
また、現役世代という年齢がベースにあるため、基本的に行動的、能動的であり、その結果、徘徊や暴力が出ることもあります。

こういった病状を抑えるために,抗うつ剤、抗不安薬など精神疾患系の薬を出されることもあります。
周辺症状はうまく薬を使ってコントロールすることが可能である反面、本人に合わなかったり、薬で肝臓を傷めることもあるので(どんな病気の薬であれ)介護者は、投薬をきちんと把握しておきましょう。

若年性アルツハイマーは医師にかかって薬を飲んで終わり、と言う病気ではありません。
本人の努力にも限界があります。
本人、医師、家族、その他サポートの人たちが一丸となって支えていくことが大事です。

本人、医師、家族
アルツハイマーは本人、医師、家族、その他サポートの人たちが一丸となって支えていくことが大事

完治こそしませんが、こういった方法でかなり長く現状維持を続ける患者も多くいます。

今後の展望

今後の展望としては先に書いた薬が、どんどん進化して新しいものが出てきています。
またワクチン接種という方法も開発途中にあります。
将来は、若年性アルツハイマーの家系であることが解れば、ワクチンを打ち、発症を防げる時代がすぐ来るかもしれません。

若年性アルツハイマーについての薬物治療を紹介しましたが、病気を発症した場合、どう受け止め過ごしていくかは、十人十色です。
仮に完治できる時代が来たとしても、リハビリがあります。

病気との付き合い方、リハビリは患者だけでは出来ません。
どんな病気でも「理解されている」と思うだけで安心出来ます。またその安心感をベースに社会活動に参加することも出来ます。

若年性アルツハイマーに対する管理者の想い

若年性アルツハイマーは働き盛りに発症して、どんどん進行する病気です。
人格が破壊されていくようにも見えます。
しかし、中高年期に病気1つせず働けることが幸せとも限りません。

人の生き方は人の数だけあります・・ということを主に介護者に対して言いましょう。
アルツハイマーに限らず、介護者は精神的に追い詰められることが多く、また世間と比較しがちです。
介護者の心持を楽にすること=患者の幸せでもあるのです。

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