統合失調症の症状に対する看護アセスメント

統合失調症の急性期の看護アセスメント

①看護サイドは患者に対して積極的に拘りを持つようにします

理由として患者は知覚の障害、思考の障害、感情の障害によって自我機能が低下している障害である為、他人と自分の境界を画一させる必要があります。
また、否定的な言葉を投げかけたりしては成りません。
いつ何時にも過敏に物事に捕らえ、ちょっとした会話や仕草に重要視して誤解など生じる事があります。
自己に向かう批判は患者にとって来院する前に何度も受けて来ている場合が多く、その上で新たな教唆に嫌気をさす場合が多く信頼関係構築に問題を来たす事が推測出来ます。

②患者にも個人差があり他人との距離感の持ち方にも色々です

性急に深く関係を築こうとすると逆に拒否されてしまう場合も考えられます。
患者がリラックスした形で対話が出来る距離感が適切な方法で興奮や無用な刺激を与える事は避けるべきです。
この場合の刺激とは、肩に手を触れるなど些細な事にも留意しなければ成らないと言う事です。

③患者への指導は出来るだけ現実的で具体性のある言葉で伝える必要があります

現実行動の中で理解可能な事を逐次、確認し良い事はそのまま良いと伝える事も患者の不安をとり除く上で重要です。
加え、指導は一方通行に成らないようにする必要があります。
理解出来たのか確認しながら実行を促す方法を執る事が必要です。
仮に患者の理解が及ばない場合は噛み砕いて、詳細な事柄も丁寧に支持する必要があります。

④幻聴や妄想について看護側から内容を深く探る事は避けるべきです

非現実的な事柄に肯定や否定はしない事が重要です。
完全否定は患者は看護側に不信を抱かせます。
逆に肯定する事によって、患者に非現実な出来事を確信させてしまいます。
患者が積極的に幻聴や妄想の出来事を話しかけてきた場合は、”傾聴”する様に心がける様にします。
この場合の傾聴とは、少しゆったりとした調子で患者の発言をただ受け留める姿勢です。

⑤患者の家族にも不安を取り除く事が必要です

対応の手助けと成る助言を行う事は有効です。
仮に家族や周囲が行き詰る様な場合にはどの様にしたら適切な援助が求められるか情報を知らせておく事も望まれます。

急性期・慢性期へのアセスメントの視点

発症はゆったりした場合、潜在的な場合、突発的な場合、冠婚葬祭など環境変化による場合があります。

幻聴や妄想に支配されている患者は現実との接点が希薄化、傷害化されている為、行動予測は極めて困難です。

患者は基本的に病識が無のでこの様な現実との乖離や妄想に関しては、治療の段階を追って症状を患者自らの表現で精神内界の内容を話してもらう必要もあります。
家族または身近な人達から患者本人に関する情報(生育暦、性格、社気的立場)を得る事も必要に成ります。

緊急時

自傷他害の可能性の高い患者の場合、まず個室(保護室)等で隔離します。
この行為は極度の緊張感や恐怖感状態から開放されている事を患者自身に認識させる効果があります。
まず患者が極限状態にある場合は安心感を持たせる方法で考慮する必要があります。
看護サイドはここから対人関係などのストレスや刺激に対してのリハビリを叙々に開始する事に成ります。
基本的に統合失調で患うと抗ストレス力が低い為、性急に多くのリハビリ効果を求める事は揺り戻しの原因にも繋がる為、望ましくありません。
看護サイドは先回りして様々思考を察知して行動する事も望ましく無く、あくまでも患者ペースに徹します。
看護と患者との相互作用の充実は結果的に自我機能を強化させます。

回復時

未熟で不完全な自我として患者を看る事は看護側の姿勢を患者自ら感じ取り逆効果に繋がります。
従前の安心感や良好な環境造りから考え方を変化せる必要があります。
患者本人が元々持っている自我意識を復活させる、(引き出す)様に促します。
この考え方をエンパワーメント・ストレングスモデルと呼ばれます。
ソーシャルワーカー・看護士との社会的繋がりから信頼関係を構築し成熟させ、患者自身が自発的に「世話に成っている彼らの力に成りたい」と思うように成る事が望まれます。
自発性は自我回復効果の助けに成り、この場合看護側は積極的に力になる具体的な指導を行う事が望まれます。

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