注意欠陥多動性障害(ADHD)とてんかん

注意欠陥多動性障害(ADHD)とは?

注意欠陥多動性障害(ADHD)はひとつのことに集中することが難しく、学校でも授業を座って聞くことができずに立って歩いたり教室を出て行ってしまう、忘れ物やなくし物がよくあり、落ち着いていられないなどの症状をもつ発達障害のひとつです。
学童期に相談に訪れることが多いですが、成人してから忘れ物が多い、うっかりミスなど職場で適応しにくくうつ状態になって初めて病院にたどりつく人もいます。

ADHDの症状を持つ人のうち、てんかんを合併するのは10~20%くらいと言われ、一般の子どもより割合としては高くなっています。
一部の抗てんかん薬はADHDの症状を悪化させること、特に服薬前から注意力の問題や衝動性を持つ人に悪影響を与えることがあります。

だからといって、どちらかの治療を選ぶ必要はなく、ADHDの症状が悪化させていると考えられる抗てんかん薬は変更すること、ADHDは睡眠障害を併せ持つことがあるため睡眠薬でしっかり眠れるようにすることなどの対応をすることで、悪化させていた行動の改善を試みるのが一般的です。

てんかんの治療に力点を入れて発作を抑えることに目が行きがちですが、ADHDは学校の成績や就職へのハンディとなることが多いので、ADHDの症状の改善を両方行なうことで、学校生活、将来の社会人生活がより良く暮らしていけるように、薬同士の相性合わせに配慮して治療を続けていくことが大切です。

注意欠陥多動性障害(ADHD)とてんかんは遺伝する?

以前、てんかんは遺伝しないと説明させていただきました。
では、注意欠陥多動性障害(ADHD)は遺伝するのでしょうか?
こちらに関しても、心配されている親御さんは多いと思います。
現在、注意欠陥多動性障害(ADHD)の遺伝については、完全に解明されていません。
必ずしも遺伝すると言うわけではないと言うことでしょうか。
しかし、遺伝する「確率」は高くなるといわれているのも事実です。

子供が注意欠陥多動性障害(ADHD)であれば、上記で記載したように、てんかんを合併するのは10~20%と認識しておくのがいいのかもしれません。

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