病後うつとうつに関する法律と身体症状

病後うつ

循環器系の(脳出血又は脳梗塞など)病後にうつ病に罹患する統計結果によると20~40%に上ります。
この病気による体への影響は会話に吃音が出たり、スムーズな動作を妨げたり、症状には個人差は在りますが、リハビリにより社会復帰した例は少なくありません。

しかし急激な体の変化に不安や失望感を感じる患者も中には存在します。
心理面とは別に脳血管障害により感情に係わる部位に悪影響させている場合もあり、これにより気分障害が発症する場合もあります。
この様なケースでは体のリハビリにも悪影響を与えます。

主な不安・うつ要因

体の機能障害により自然に出来た事に難儀が生じ苛立ち。 療養環境・介護者との人間関係上の生活上に於ける問題。 職場復帰の目処など社会的要因に於ける問題。

上記の要素の他に様々な葛藤や悩みも絡み合い、抑うつ状態が長期に及びます。
但し大うつ病にある様な朝や夕方など外因で起伏の変化は殆ど見られない特徴です。

家族も含め周囲の人からのうつに関連付ける事に理解度が低く、大病の後の心理的動揺などと勘違いされるケースが多く診られます。

叉リハビリの停滞も病気の一症状と誤解される事も多いと言われます。
一定期間(2週間程)経過しても同症状に改善が見られない場合は、周囲の人は積極的にうつ治療も行う様、罹患者本人に促す事が望まれます。
仮に精神治療を怠った場合は能障害に伴う本来のリハビリ効果も減退し、目的でもある社会復帰にも影響を与え、その後の生活の質(QOL)は結果的に必要以上の劣化を強いられます。

うつの法律

従業員のうつ病に対する対応

従業員が「うつ病で会社を休みたい」との申告が在った場合、一番駄目なケースとして、気分の問題と勝手に解釈し安易に休ませない事です。
うつ症状が進行し重度化した場合、従業員側から損害賠償の支払いを請求される場合もあり、現実に裁判で可決されたケースもあります。
従って就業規則に沿った方法で従業員の休暇を認める方が後々問題になりません。
有休期間を超過しても体調が戻らない場合の自動退職扱いに成る事に対して本人承諾手続きを取り円満退職してもらう方法が一番適切です。
一般的な就業規定には「休暇期間の満了した場合は自動的に退職になる。」と定められている事から、本人承諾を取らない場合の方が多い様です。

しかし有休期間を過ぎても会社側対応が放置状態で長期に及んだ場合、社内規定では実質上自動退職であっても法律上、従業員側が納得できない場合は不当解雇と訴えられる場合もあり法律も「強制解雇」として扱います。
法的な難解な解釈からのリスク回避手段として先に著した様に本人承諾の上での退職がベストな様です。

うつに罹患し難い環境つくり

従業員の労働時間の適正化に留意しているか、従業員が人間関係上で問題を抱えていないかどうか、など日常の問題に気を配る事で職場環境整理が出来ると思われます。
概ね10人以上の職場では人間関係に何らかのトラブルが発生し、トラブル件数も増加傾向にあると云われます。
この様な場合は深刻な関係悪化に至る前にコミュニケーションを活性化させ、風通しを良くする方法が推奨されます。

従業員のうつが再発

とあるIT関係の会社の従業員が月100時間以上の残業が常態化し、うつ病に罹患し一時精神科に入院し復職後、殆ど間も無く、月45時間以上の残業する状態に戻り3ヶ月経過した所でうつが再発、処方薬の大量摂取による死亡(自殺)という実例がありました。
この場合、会社の責任(労災)の有無に関してはうつの原因が労働条件にあるのか、従業員本人の自己管理責任によるかによって法的適用が左右されます。

  • ①うつ発症原因⇒100時間を越える残業
  • ②復職後、短期間(3ヶ月)で45時間超過残業を強いられていた
  • ③再発の兆候を現れていたにも拘らず、残業を放任させていた

うつ病が職業の有無によって起因する性格の病気ではなく、無職でも発症しうる。
従って直接的に因果関係を実証する事は困難ですが、裁判所では労働基準法に則り月80時間超過の残業をしている状態は違法である為、シンプルに労災認定されました。
つまり明らかに会社として労働環境上、人員の増員が必用である事が明確であったにも拘わらず、その義務を怠ったと判断されました。

尚、復職後では45時間の残業で労働基準法には抵触しません。
しかし会社側は復帰後の過労による再発の可能性を担当医師から説明を受けていた事からも、45時間以上の超過勤務は不適切とも判断された様です。

うつ病・身体症状

  • ①倦怠感、眠気
  • ②雑音など周囲の音が気に懸かる
  • ③気分が沈む・気が重く成る
  • ④趣味・嗜好に興味や関心が薄れる
  • ⑤朝の時間帯が無気力に成る
  • ⑥議論などで意識集中が欠ける
  • ⑦肩・首筋がこりの症状が悪化している
  • ⑧頭痛(偏頭痛)などの発症頻度が上がる
  • ⑨熟睡出来ず、早朝に起床する事が増える
  • ⑩不注意による怪我・自己やミスが増える
  • ⑪食欲不振が常態下する
  • ⑫息が詰まって胸苦しい間隔に襲われる
  • ⑬咽に何か詰まっている様な感じがする
  • ⑭自分の人生観や死生観に希望が持てなく成る
  • ⑮仕事の能率が下がり、事物に対して億劫に成る
  • ⑯以前に上記の様な症状を体験した事がある
  • ⑰本質的には仕事熱心だと評価を得ていたが現在の状況と180度
  • ⑱異なる様に思える

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