てんかんの手術

てんかんの発作が薬では抑えられない場合に、原因となっている部分を切除する手術を受けるという選択肢があります。
手術を受けるには精密検査を受けて適応すると判定された人が対象です。
どこの部分から発作が起こっているのか、全ての発作がそこから起きているか、後遺症がなく切除できるかを明らかにできることなど厳密な術前検査があります。
麻酔や脳の一部を切除することなどに対するリスクがありますが、その後の生活を考えて決定されます。

検査は…
数日間に継続して行動観察
脳波を検査する脳波ビデオモニタリング検査
MRI検査、SPECT、PETなどの画像検査

てんかんの手術で完治するのか

術後は発作が完全になくなることもありますが、頻度が減る、薬を飲みつつ経過観察していきます。
100%期待通りの結果を得ることはできないかもしれませんが、薬で発作が抑えられない人にとっては選択肢のひとつです。
てんかんの種類によって術式や改善する確率などが報告されていますので、手術を受ける前にリスクとともに十分な説明があって、患者さん自身も納得してから決定します。

てんかんの手術による後遺症は?

やはり、脳の手術なだけに、全体の1%弱には重大な後遺症が出ることもあるそうです。
上記でも述べたように、脳の一部を切除したり、神経を切ったりするというリスクがあるからですね。

具体的な後遺症
両目、片目の失明(全盲,半盲)
両耳、片耳の失聴(全聾,半聾)
手足が動かなくなる(手足のまひ)
記憶力が悪くなる(記憶障害)
言葉が出なくなるなどです(言葉の障害)

事前に綿密な検査をすることで後遺症もかなり予測できるようになているそうです。

手術を受けられる病院

手術を受けられる病院は、総合病院の脳神経外科や大学病院などに限定されています。
どのような患者さんを受け入れているかは病院によって異なります。
現在の主治医から紹介状を書いてもらい、予約、診察、検査、という流れになります。
手術以外のことで日常生活で困っていること、悩んでいること、運転免許、職業に関することなどの相談や助言も受け付けています。
医師以外にも福祉、心理の専門家がいますので、使える制度の紹介やカウンセリングを行なっています。

てんかんの手術を行っても再発する?

手術をしても、まれに再発することがあるそうです。
その際には、再度手術を計画するか、別の治療法を計画することになります。
しかし、多くの場合は、再発したとしても薬の調整により発作をコントロールできる場合がほとんどのようです。
通常は、2年間発作が消失していれば、それ以後に再発してくる可能性は5%以下ときわめて低くなります。

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