うつ病とインターネット依存

うつ病は基本的に生活全般に亘って意欲低下が顕著に現れる病気です。
(又は症状が現れます)。
軽度の場合は趣味や興味に関しての情熱は冷めやらぬ状態。
この段階では罹患前後に特段の差異はありません。
うつ病に罹患し易い人とインターネット依存との関係は悲劇的に相性が合います。
時間的制約からの解放が理由として大きな要素だと思われます。
特に昼夜逆転状態に合っては、自由度の効く理想的環境です。

他方、ネット上のパフォーマンスを一念発起して現実に反映させた場合、移動など資金や時間が必用となり経済的不安が生じます。
行動に相手がいる場合、都合調整や移動先でのプランなど色々考えなければ成らず体力、気力も必用に成ります。
この様な条件をクリアするには、其れなりに行動エネルギーを必要とされ軽度とは云え、うつ又はうつ症状者には大変な負荷が掛り、まずはスムーズに事柄が進行するか不安に成ります。
不安の末、不眠状態を悪化させる場合も想定され、大事な時に限って集中力を失いつまらない事でミスを犯した場合は自信喪失に拍車が掛かり、むしろ引き篭もる原因にも成り得ます。
仮想現実はその様な不安や問題を解決してくれます。
しかし、正常な生活を失う事の代償も大きく、結論的には無理は回避しつつ、生活パターンの見直しなど出来る範囲で修正する事は論を待ちません。

最近は尺の長い映像コンテンツ等を初め、量・質共に充足し携帯電話からのアクセスが可能になり、休日など挟むとツイツイ長時間接続があたりまえの環境にあります。
従って生活パターンに支障が生じる事があります。
予め接続時間や閲覧目的を自分成りに意識的に決めて置く必要が在ると云われています。
症状が軽ければその分、治療も短期に収束します。
罹患を疑っていて(他者から指摘されて)など通してその可能性が少しでもあると感じた場合は専門医へ来院(相談)する事が推奨されます。
特に若年層程、影響が心身共に有意に反映される為、場合によっては管理者が必用に成ります。

インターネット自体がうつ病を引き起こす原因には成りません。
あくまで利用する側の姿勢が問題です。
うつ病そのモノが直接亡くなってしまう事は極めて小さい一方、神経衰弱の深刻度が増すと例外的に亡くなってしまうケースは皆無ではありません。

憂うつ感

人や立場によってスランプや脱力感、倦怠感と称します。
憂うつ感には何か明確な理由(問題感)があり、その理由(問題感)から解放される事で健全な状態に戻るケースが多くこの場合は一時的なうつ症状であってもうつ病ではありません。

他方、解決すべき問題や鬱蒼とした気分だけが持続(2週間以上)・進行するにも拘らず原因を考えても心当たりがない場合があります。
漠然とした気分の沈み、イライラ感、不安に心が支配され情緒がモロく成ります。
この様な場合はうつ病という事になります。
うつ傾向(症状)と病気との境界線は実は曖昧ですが、気分変化への合理的解釈が可能な場合と無自覚な上での長期倦怠感などが境界として定義の一つに成り得ます。

日常的に出来事でもある程度忍耐が必要な事柄(新聞や雑誌を読む)も症状悪化に伴い出来なく成る事があります。
インターネット依存の末、うつ病に転化される頃には最悪、何をも手に付け無られない状態に成ります。
完全に罹患状態にある場合は、自己暗示や第3者からの安易なエールはむしろ逆効果で人格否定や無力感として受け止める罹患者もいます。
うつは基本的にエネルギーを溜め一気に放出し精魂尽きた状態が長く続く病気で在る為、罹患者にとっては「疲労や辛さ」を肯定的に受け止めてもらう事だけで十分であると言われています。
当然、この対応に「甘え」を感じる向きも少なくありません。
しかしこの段階での厳しい指導は改善に貢献出来ない事も事実です。
やや体調が回復するとネット閲覧やゲームへの感心が復活します。
その様な時に時間制限など厳格に約束させ実行する事が推奨されています。

健全・症状の目処

2週間以上、倦怠感などの症状が持続し改善の兆候が見られない場合はうつ症状である可能性があり、身近な所の精神科などで診断を受ける事が望ましいと言われます。

環境改善の方法はインターネット依存に特化した治療方法は無い様です。
従って一般的なうつ症状、又はうつ病と同様な治療が望まれています。

睡眠不足状態や疲労感が激しい場合は一時的にインターネットを休止し(場合によっては睡眠導入剤を用いてでも)、睡眠時間の正常化や確保を実践しバランスの摂れた食事が必要に成ります。

依存症に関するデータ
年齢層 中学生・高校生(夏休みなど長期の休み期間で習慣化する傾向が高い)
罹患者数 中学生・高校生[推計]518000人(line/netゲーム依存等も含む)
20歳以上での調査 ネット利用に問題を有す割合  男性:4.5% 女性:3.5%
スマホ関係 スマートフォン利用する事で削った事柄
1位:睡眠時間(40.7%) 2位:勉強時名(34.1%) 3位:TV視聴時間(27.8%)

インターネット依存による習慣悪化に伴う身体異常の発症は若年層への影響が大きく現れる傾向があります。

初期段階 眼精疲労によるドライアイ・不眠・軽度のうつ症状 定期的に目を休める時間を作る事で対処する
進行 肩こり・(偏)頭痛・食欲不振 軽い運動、ストレッチ等
重症 注意欠陥多動性人格障害・不安障害・うつ病・強迫性障害・発達障害(広汎、高機能)・双極性障害
ネット依存 ネット依存度が特に高い症状:不安障害・うつ病・発達障害・分裂症(妄想 幻聴)

ネット依存症はあくまで通称であり、一般的には「うつ病」の枠組みでの治療を行う形式を執られています。
しかし久里浜医療センターという所では独自のインターネット依存症対策プログラムを策定されていて一部メディアでも紹介されていました。
治療の概略として一般用と青年用とに分化した治療が行われています。

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