くも膜下出血の亡くなる率

脳の血管の病気の中でも、くも膜下出血は亡くなる可能性が高い病気として知られています。

くも膜下出血になったとしても、症状が軽く、早期に入院・手術を受けて、その後の経過が良ければほぼ100%に近い割合で助かるのですが、出血量が多くて重症の場合は手の施しようがなく、助かる見込みがほぼ100%ないと言われています。

くも膜下出血になった人の全体の人数に対する亡くなる確率

くも膜下出血は、ほとんどの場合、脳動脈瘤という血管の枝分かれ部分にできるコブが破裂することによって起きます。
脳動脈瘤を持っている人は全人口の1~3%ほどなのですが、その中でくも膜下出血になるのは1年に1%ほどです。
ですから、そんなに多くの人が発病するものではありません。
しかし、発病した場合の亡くなる率が高いことから、くも膜下出血は亡くなる原因の上位に挙げられています。

くも膜下出血になった人の亡くなる確率について言うなら、くも膜下出血にかかる人のうち、残念ながら約3割もの人が手遅れの状態で病院に運ばれることが多く亡くなってしまいます。

くも膜下出血になったものの、元気に退院して、まったく問題なく普通どおりの生活をすぐに送れるような人は、全体の1割にも満たないそうです。
リハビリなどして社会復帰できる人が全体の3割程度で、残りの3割程の人は、命は助かったものの重い後遺症が残ることが多いとされています。

このように、くも膜下出血は亡くなる確率が高い上に重症度によっては社会復帰も厳しいことが多く、課題が多い病気といえます。

リハビリ
くも膜下出血は、リハビリなどして社会復帰できる人が全体の3割程度です。

くも膜下出血と再出血について

くも膜下出血になって最初の出血は少量だったため、命に別状がなかったとしても、再出血の危険があるため油断できません。
それで、くも膜下出血になった場合は早急に手術を行なって再出血を防ぐことが必要です。

もし、手術などの適切な処置が行なえなかった場合は24時間以内に再出血を起こすことが多く、命の危険が高まります。
たとえ、24時間以内に再出血しなかったとしても、1年以内に再出血するケースが多くあり、早めに処置をしておく必要は否めません。

くも膜下出血の重症度と亡くなる率との関係

くも膜下出血は、その程度によって重症度を大きく5段階に分類されています。
最も症状が軽いのはグレード1で、グレード5にもなるとかなりの重症で助かる見込みはほぼないと言われています。

一般にほぼ助かると言われているのが、グレード1~グレード3までです。
グレード1~グレード2までは、頭痛の程度も軽度から中等度と比較的軽く、首の後ろが痛くなったりという症状は見られるものの、意識もある程度はっきりしています。
グレード3になると、ボーっとした感じだったり、傾眠傾向や錯乱状態などが表われます。
このグレード1~グレード3状態の時に、適切な治療を受けるとかなり高い確率で命が助かると言われています。

しかし、グレード4になると、手術は不可能という場合も多く、グレード4からグレード5のくも膜下出血患者の場合は、残念ながらほぼ助かる見込みはないとみなされています。

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