偏頭痛の特徴と誘引

一般的に片側又は両側の「こめかみ~目」の周囲から痛みが発します。
脈打つ様な痛みがだんだんと時間の経過と共に増してきます。
個人差やその時々の体の状態にも拠りますが、平気的に4時間~3日間ほど継続すると思われます。
市販の頭痛薬服用で痛み自体軽減しますが、ちょっと体に刺激を与える事によって瞬間的な痛みを覚えるなど違和感が残る場合もあります。

主な症状

痛み方
時折起こる(自由時間・開放的な時が多い)完結的
血管の血液が流れ膨張した時(脈打ち)して痛みが走る。
痛む場所
頭部片側又は両側から痛み出す。(その他、顔面の目周辺、鼻、歯などに痛みが走る。)
頻度
概ね一月当たり1~2回程度発症。
多い時は週に1~2回程度発症する場合がある。
経過
平均的に痛みのピークは1~2時間程度。胃腸の状あ態が不全。
吐き気やおう吐など発症する場合もある。
仕事や家事
痛みのピーク時は他に集中が出来なく成り、仕事や勉強などにも影響(能率低下)がある。
酷い時は寝ている事しか出来なく成る事もある。
体の動作
(寝がえり程度の)軽い動作でも痛みを悪化させる事もあり、基本的に安静にしておく事が望ましい。
痛み以外の症状
吐き気・胃の痛みなど併発する場合もある。
普段は気に掛ける事が無い程の明るさに対して、眩しく感じる。
低周波数の重い音に対して、普段よりうるさく感じる。
偏頭痛の悪化に伴い臭気に関しても敏感に成る。
前兆
ショックの影響以外で目から火花が散る。目がチカチカしたりギザギザした光を感じたりする。
一部、視野が白く輝き見え難く成る。(閃輝暗点)ギザギザ状の物体の浮遊やオーロラや万華鏡の様な幾何学模様、カメラフラッシュの様な眩い光など。
体中チクチクしたり、痒みが走ったりする場合がある。
耳鳴りが発生する場合もある。

偏頭痛の前兆

偏頭痛の前兆症状の発症率は、全体の2,3割程度です。
前兆症状は短く概ね15分~39分程度で、後から偏頭痛が発症します。

偏頭痛の痛みが止むと嘘の様に痛みが無く成ります。市販薬で対応出来れば特段、来院しての治療は不必要です。
しかし(痛みの頻回・以前には効果の在った市販薬が効かなくなる・毎日の様に鎮痛剤の服用を習慣化している・寝込んでしまう程の痛みに苦しめられている)の様な場合は自己対処によって悪化させている事も考えられ、神経科に相談する方が合理的です。

国際頭痛分類第3版(ICHD-3β)からの偏頭痛の分類と発症基準

偏頭痛の分類

前兆無し偏頭痛(基準)

以下の症状の内2項目以上有る場合

  • ●片側性
  • ●拍動性
  • ●中程度~重度の頭痛
  • ●日常動作による頭痛憎悪。又は頭痛の為日常動作回避
  • ●症状時間が4~3日間

以下の症状の内1項目以上有る場合

  • ●悪心又は嘔吐(あるいは両方)
  • ●光過敏又は音過敏
  • 上記●の発症項目何れにも満たさない場合
  • 上記●を満たす発作が5回以上発症した場合

前兆有り偏頭痛(基準)

以下の項目に於いて完全可逆性前兆症状が1つ以上認められる場合。

  • □視覚症状
  • □感覚症状
  • □言語症状
  • □運動症状
  • □脳幹症状
  • □網膜症状

以下の項目の内、条件が2項目満たす場合

  • □前兆症状が一つでも有り約5分以上、徐々に強まって現れる。又2以上の前兆が継続して発症。(発症が片側発症でも全面発症でも)
  • □前兆症状が5分~1時間程度の長さで持続する。
  • □少なくとも1つの前兆症状は片側発症である。
  • □前兆症状後、一時間内に編頭痛が発症する。
  • 上記□を満たす発作が5回以上発症した場合 

偏頭痛の誘引

●ストレスの状況下、交感神経が過度に張り詰められ、解放された途端、副交感神経が働き血管を拡張。
この血管が神経に触って痛みが発症。
平日の朝は問題ない場合でも、休日の起床時に偏頭痛が発症するパターンもこれに該当します。
●朝食抜きで低血糖状態でも偏頭痛を促す要因と成ります。
『ニューイングランド医学ジャーナル』という医学書籍の発表によるとGTTと呼ばれる血糖値測定を行った結果、偏頭痛の持病を抱えている人の殆どが低血糖である事が解りました。
例えば空腹時に偏頭痛が発生しやすい人の場合これに相当します。
●生理による女性ホルモン(エストロゲン)バランス量の変化が生じる場合。
妊娠中など月経が止まりエストロゲンの量に変化が比較的安定している場合、一時的に偏頭痛が無く成る場合があります。
この様なケースでは妊娠後に偏頭痛は再発するのが一般的です。
エストロゲンの分泌量の変化が偏頭痛の原因に成るほか、エストロゲンが低量固定の状態でも発症し易い状態に成ります。
偏頭痛のキャリアはピル使用は原則医師の指導が必要です。
●家族歴(遺伝)による偏頭痛。
母親が頭痛持ちの場合、子供に遺伝する割合は5割以上に成ります。
●アルコールや特定な食べもモノによる偏頭痛。
石炭酸(ポリフェノール)が含まれる赤ワインは偏頭痛を誘発する事は広く知られています。
人によっては、誘引物質が異なります。
例えばチョコレート・柑橘類・チーズ等を初め、防腐剤として食材に含まれている添加剤(NaNO2亜硝酸ナトリウム)による偏頭痛誘引も在り得ます。
しかしこれらの要因によって100%発症する訳では無く、口に入れた時の状況や罹患者本人の気分などによって発症ない場合に有り得ます。
群発頭痛(季節によって多発したり止んだりする頭痛)のキャリアの場合で群発期に飲酒すると略100%の割合で発症します。
尚アルコール自体アセトアルデヒドへと分解され、この物質が原因で頭痛を感じます。
●食事
Mg2+(マグネシウム.ミネラル)ビタミンB2など配合されている食べ物は偏頭痛の予防や症状軽減に有効です。
●空腹
朝食抜きの場合、血糖値が低いままでは通勤先や学校内で偏頭痛の可能性が高く成ります。
●人ごみ・騒音・香水・刺激的な光(日光やLED レーザー光など)でも偏頭痛誘引と成り得ます。
又旅行先で偏頭痛が発症する場合もあります。
この場合も寝不足、車酔い、不規則な食事時間・ストレスが偏頭痛誘引と成り得ます。
●天候や気温
置かれている状況に於いて気温や気圧変動が激しい場合に偏頭痛が誘引されます。
●睡眠
寝すぎ・寝不足などが偏頭痛に浸る原因と成り得ます。
休日でも平日と同じパターンでの寝起き時間管理する事で対処します。

各頭痛の概要

  偏(片)頭痛 慢性偏頭痛 緊張型頭痛 群発頭痛
主な患部 頭部片側・目の周囲 頭部片側・額全体 額全体 目の周囲
発症パターン 間欠的に発症 月15回以上の割合で発症 持続して発症 年の内、数か月の割合で群発
頻度 週に2回~月1回程度
痛は4時間~3日間
月に8回以上が偏頭痛でその他は緊張型頭痛…と言う様に混合して発症する。 月当たり15回未満で発症
痛は30分~7日間
痛みは15分~3時間
痛みの状態 ズキズキ脈打つ様に痛む 薬物乱用頭痛と言われ症状も様々。 締め付けられる様な痛みで鈍痛。 目や鼻など熱を発し目の奥側からえぐられる様な激痛
他の症状
頭痛発症時の症状
吐き気・嘔吐、光・音など外部からの刺激に敏感に成る
ギザギザした光の目撃、視界の半分が喪失する場合もある
  吐き気は在ってもしない。肩こりや軽い眩暈が生ずる。 目の充血、涙・鼻水が伴う
運動 動くと痛みが悪化   気分転換程度の運動は痛みを和らげる 痛みが激しく逆にじっとしていられない。
痛みが酷い時の状態 酷く痛む時は寝込む程度   仕事が出来ない程の痛みは基本的に無い 堪え難い痛み

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