くも膜下出血 意識が戻らない時

くも膜下出血の時、意識が戻らない時間帯があります。
こうした時患者の他、患者の身内の人たちは大変心苦しい思いをされていると思います。
ですが、意識が戻らない時患者の体内に起きているのはどういったことなのか?その間私達に何ができるのか、今回はその具体例も含めて紹介いたします。

くも膜下出血の時に患者の脳で何が起きているか?

くも膜下出血で意識がないときは、出血によって脳の一部分が圧迫されて意識がない状態になります。

脳には、脳髄液と言って骨と脳が直接当たらないように保護する液があり液があるお陰で私達の脳は運動時によって揺れても摩擦が起きずに機能することができ、外的な刺激からも守られることができるのです。
しかし、実際には大きな問題があります。
出血が起きた場合はその本来の液の量から大幅に骨と脳の間に液があることになってしまい結果として脳の一部分を圧迫してしまうのです。

その結果、圧迫された脳は機能を果たすことが出来ずに意識混濁を起こしてしまうのです。
これがくも膜下出血が起きた直後に起こっている状況になります。

次に、症状が進行するとどういった事が起こっているのかというと、出血した先の脳の組織の維持のためにエネルギーを使うようになります。
体の一番の優先状況は意識を持って行動するのではなくて、体の機能の維持です。
そのため、、体を動かす機能といった物は刺激から遮断されて、患者の脳の中では意識を保つといったことよりも、体の機能、特に脳幹といった生命の維持に関わる部位を守ろうとする力が非常に強くなるのです。
その結果、くも膜下出血が起こると、意識を失うといったような事が起こるのはそのためです。

くも膜下出血の意識が戻らない時でも機能しいる体の機能

実は、すべての刺激がくも膜下出血時に起きているわけでは無いのです。
くも膜下出血が起きていても、反応する感覚があります。

基本的に5感といった触覚・嗅覚・味覚・視覚・聴覚は機能しています。
反応ないと思い、機能していないと勘違いしがちですが、反応ができないだけで、機能はしているのです。
機能はしていても、刺激を与えている本人に返すことや行動することが出来ないといった事が大きな問題なのです。

つまり何が重要かというと反応が無いからといって、その人の機能が劣っているというわけでは無いのです。

意識がないときでもできる刺激の方法

意識がないときでも、患者以外の人が何ができるかと言ったら、その数は限られています。
まずは、目が開いていない以上視覚に関する、刺激は与えることが出来ないのです。

また、意識がない場合は食事を取ることもままならない場合が多いですので、基本的に味覚による刺激は与えることが出来ないと考えていいのです。

ですが、確実に与えることが出来る刺激が2種類あります。
それは、嗅覚と聴覚と触覚です。

最初に、くも膜下出血でICUから出された場合の個室の一般病棟の場合は、患者の好きな香りをかがせるというような事で回復を見込むことが出来ます。
臭いは直接脳に働きかけ交感神経系を活性化してくれるのです。

次に、聴覚です。 これは最初のころは、ピアノといった単一の音を聞かせるようにします。
複雑な音の音声が未だ処理ができないためです。
しかし、その人が嫌いになるような音声を使用しないというのがポイントです。
音によって発生したストレスによって回復が遅いといった事が起こります。

最後に、触覚、体全体を撫でるようにして刺激して下さい。
特に、耳元で声をかけながら行うと非常に意識回復に効果があるとされています。

くも膜下出血 意識が戻らない時のまとめ

くも膜下出血によって意識がないときは、脳が意識を持たない状態で体の機能を回復させる時期に該当します。
ただ単に反応が無いだけで、機能は持っているので、意識がないときでも感覚は機能しています。
その時に刺激を与えることによって意識がない状態を改善することは可能なのです。

人気の記事

サイトリンク

免責事項