統合失調症とうつ病は大きな違いがあります

統合失調症とうつ病は大きな違いがあります。

二つとも似たような側面は持っています。
そして、統合失調症の中にもうつ症状というものがあり、うつ病の状態が症状として出る事もあります。

では、明確にどの部分が違ってくるのでしょうか?

1.妄想

被害妄想など妄想というのは、統合失調症独特のものです。

うつ状態でも重度になると妄想をしてしまう事がある人もいますが、それはあくまでもネガティブな妄想であって、現実に基づいた妄想であります。
それが常識を逸脱した妄想を行うのは、統合失調症独自のものです。

統合失調症の陰性症状はうつなどと重なる部分は多いのですが、陽性症状は重なる部分が少ないです。

うつは気持ちが落ち込むもので、統合失調症は体の中でぐるぐると金属が回っているような状態です。

安定感が大きく違ってきます。

2.漠然と消えてしまいたい

逆に漠然と消えてしまいたいと思うことはうつ病特有のものです。

統合失調症のうつ症状で消えたいと思う人もいるかもしれませんが、漠然と消えてしまいたいと思うことのように消えたいという気持ちが波動のようにやってくるという事はありません。
何の理由もなく消えたいという気持ちになる事は統合失調症ではありません。
理由があって消えたいという人は多いですが、その点、統合失調症の場合は、プロセスがしっかりしている事が多いのです。

うつ病は何の理由もなくとっさに命を絶ってしまうから怖いのです。
漠然と消えてしまいたいと思うことはそうした危険性を秘めています。

3.幻聴

幻聴や幻覚といった幻を体感するのは、統合失調症特有のものです。

うつ病では、そうしたものはでてきません。

うつ病では心臓に鉛が入ったような独特の感覚がする事もありますが、それは体感幻覚というよりもうつ病のうつ状態からくる症状が大きいです。

うつ病になるとネガティブに考えてしまい、どうせうつ病なのだからと全てうつ病のせいにしてしまいがちです。

しかし、明らかに聞こえてくるはずのない声が聞こえてきたり、人ごみの声が自分の悪口に聞こえてきたり、体の中に虫が這いずり回るような感覚がしたり、見えないものが見えたりした場合、それは統合失調症によるものです。

うつ病が重度化して統合失調症になる事はあるのですが、うつ病と診断名を出されている場合、それに気づかない事もあります。

統合失調症とうつ病の違いをはっきりとさせなければいけません。

4.総合的な統合失調症とうつ病の違い

統合失調症は様々な精神疾患を統合したような病気です。

それに対して、うつ病はセロトニン不によって起こる脳の病気です。

統合失調症は薬によって症状を抑える事ができますが、完治をする事ができません。
一生、薬と付き合っていかなくてはいけない病気です。
また、症状も幻聴や不眠、妄想やうつ症状や躁状態など多岐に渡って存在しており、薬の量もうつ病とは桁外れに違います。
症状の多様化により、多くの薬を必要としており、その調整も個々によって違い、難しくなります。

うつ病はセロトニンを調整する事によって完治をする事ができます。
通常ならば3か月の休息と治療によって、うつ病を完治する事ができます。
その後の再発率の高さなどの問題はあるものの、薬によって完治をする事ができます。

完治しないか、完治するか。

それは非常に重要なものです。
決定的な違いであるといってもいいでしょう。

最後に

統合失調症とうつ病の違いがわかったでしょうか。

重度のうつ病や長期化したうつ病を、精神障碍者年金などの関係で統合失調症という診断名にしてしまうのはよくある事です。
そうした類似した状況であるからこそ、その見極めをきちんとし、適切な治療を行う事が重要になってきます。
統合失調症、うつ病、それぞれに合った治療法で、治療を行う事が必要です。

人気の記事

サイトリンク

免責事項