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統合失調症の症状と薬物・アルコール依存症との関係

薬物依存

薬物の服用が常態化し効果が切れてくると渇望(かつぼう)欲求が増幅し、それを自制出来なく成っている症状です。
以前は薬物中毒という1つに括りに語られて来ました。
しかし現在では薬物乱用・薬物依存・薬物中毒の3通りに分化されています。

薬物依存症は薬物乱用という症状を伴って発症します。
薬物の中でも麻薬乱用は違法行為といて処罰の対象に当たります。
国家機関でも乱用者の実態は把握できず逮捕や補導されたケースは氷山の一角だと言われており、目安として国立精神・神経医療研究センターの調査によると国民16歳~64歳対象に5000人に調査した結果、生涯経験者率(1生涯を通して1回以上の体験者)、1年経験者率(1年以内に乱用を経験した体験者)の割合は1年経験者率は数値が極端に低く推移し統計上、誤差の範囲に留まり数値として現れません。
他方、生涯経験者率は有機溶剤で1.9%、大麻で1.4%、覚せい剤で0.3%、MDMAでは0.2%でした。
コカイン・ヘロインは誤差範囲内で0%です。
これらの薬物乱用はトータルで2.9%です。
但しその数値は乱用者(好奇心などでの乱用体験者も含まれる)が対象でその内にどの位の依存症が含まれているかは現在では不明です。
薬物依存の原因は脳内神経系に異常に起因する事が明らか成っています。
麻薬は一般治療薬とは当然、その使用目的や性格は異なりますが、薬物として観ると長期服用の場合は中毒性があります。
中毒要因は中脳の腹側被蓋野から側坐核に至る脳内報酬系と呼ばれるA10神経系に共通した異常が確認出来ます。
つまりA10神経内で主に伝達を担うのがドーパミンです。
ドーパミンは抑制力が減退し逆に興奮状態を促進させ薬物への渇望欲が増長させます。

身体依存・精神依存との違いでは、身体依存の場合、耐性が出来てくると断薬する事によって離脱症状・退薬症候が現れ乱用の繰り返しと成ります。
身体依存の典型例としては、アルコール中毒に観られる様に長年大量の飲酒習慣がある人の体内では常時アルコールが入っている事が前提の体に変化して行きます。
その様な場合、仮に断酒すると禁断症状が生じます。
具体的には手が震えたり幻覚などの症状です。

精神依存の場合は離脱症状・退薬症候は特に現れず、単に薬物への渇望だけが増長し自己規制が効かなくなります。

乱用の定義としては、未成年の場合は麻薬は元より飲酒や喫煙も対象に当たります。
有機溶剤(シンナー・接着剤)も使用目的と異なり吸引する為の自己使用は乱用に相当します。
しかし乱用の尺度は国柄や慣習・宗教的解釈とも深く関係して社会規範からの逸脱と云った概念的な言動を以て、国際的な共通した罪量、統一見解もしくは在りません。
例えばイスラム圏での飲酒は年齢に関係なく禁止されています。
従って医学的な解釈だけでは乱用、そのものの定義は必然的に難しいテーマと成ります。
そこでWHOでは乱用という言葉を廃して精神的・肉体的な異常を来す薬の過剰摂取を「有害な使用」と表現を見直しました。

これまでは主に陽性症状(ドーパミンの異常分泌)による薬物依存について著しました。
他方、陰性症状下の依存は薬物という特定な事物への周囲への甘え・依存とした症状が顕著に現れます。
心身のエネルギーが消耗している為、行動は極めて受動的です。

当然、薬物中毒とは異なり適切な対応を前提に自然と回復します。
回復期は将来不安やあせりが患者本人に現れてくる頃です。
消耗期に比べれば表情もかなり豊かに成ります。
個人差を前提に回復度は1進1退で不安定状態です。
続いて安定期に入ると、普段の生活には殆ど支障はないく、社会復帰に備えリハビリ期間でもあります。
リハビリ後も揺り戻しや再発は完全に無くす事は出来ません。
統合失調症とアルコールなどの依存症とは直接関連は在りませんが、発病期に於いてはドーパミン異常分泌という点で合致している事から それらの関係を一部誤解されています。

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