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そううつ病薬と双極型障害
一般的に『そううつ』の場合、気分安定剤が投与され状態の安定・維持療法が採用されています。
安定剤は主に燥状態の抑制に効果が在ります。
尚必要に応じて、うつ状態にも対応した薬との組合せ投与もあります。
又1種類での効果では効果不足な場合、他の薬(抗精神薬・抗うつ薬など)を併用して投与され状態維持を図る場合もあります。
尚薬である以上、飲み合わせた既往歴、遺伝や体調によって症状悪化が想定されます。
気分安定剤(効能の概要/副作用)
リーマス | 古くから利用され実績が高い薬です。 意図的に分量制限により遅行性が生じ1~2週間後で効果が出る様に配分されます。 有効率は8~9割方で安定剤の中でも高い効果が期待出来ます。 一般的な投与の分量は開始時(少量)~(増量)~安定の兆し(徐々に減量)。 留意点は治療開始時に患者に見合った量の投与基準の策定です。 薬の血中濃度の割合で標準量が決まります。
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テグレトール | この薬は精神・神経用剤です。 気分安定の他、てんかん・神経症等、広汎な症状安定に効果が期待出来ます。 速効性では有りませんがリーマスよりは早く効果が現れます。
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デバケン | 燥状態を抑制させ神経を鎮める作用があります。 元々は抗てんかん薬として作られた薬ですが、今日ではそううつ治療にも応用使用されています。 一部症状を除いて比較的強い副作用有りません。
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ラミクタール | デバケン同様、抗てんかん薬として作られ、そううつ病治療に応用使用されている薬です。 特徴は他の薬と比較して、うつ状態の治療に有効です。 但し初期段階での予防的措置として使用され、(陽性発症)急性期では不向きな薬です。
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抗精神薬(効能の概要/副作用)
ジブレキサ・エビリファイ・リスバダール・セレネース・ヒルナミン・ロドビンなどが主な抗精神薬です。
共通効能は気分の高ぶりを抑えて気持ちを穏やかにします。
中でも、ジブレキサ・エビリファイはそううつ病に特化した薬です。
従って非定型抗精神薬で『そう』又は『うつ』症状の双方に有効な薬で新型又は第二世代薬に分類されます。
向精神薬(非定型精神薬)の作用はシナプスの内胞から生成される脳内分泌物質(ドーパミン/セロトニン)の分泌量を抑制させる働きを持ちます。
受容体から漏れた分泌物質を再利用する事を再摂取阻害と呼び過剰分泌を抑制させます。
ジブレキサ |
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エビリファイ |
また、高齢者など認知障害に対しての適応外投与によって1.6倍亡くなってしまう確立が高まる事から使用停止する。 |
リスバダール |
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セレネース |
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ヒルナミン |
また、パーキンソン病の薬と効果が無くなる為、併用を避ける。 |
ロドビン |
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抗うつ薬効能の概要/副作用)
トリプタノール・トフラニール・アモキサン・ルジオミール・ルボックス等が主な抗うつ薬です。
そううつ病の場合、『そう』(興奮状態)状態の抑制を優先された場合、安定作用から『うつ』が強く現れるケースも在ります。
その様な場合は抗うつ薬を服用させバランスを図ります。
従って、抗うつ薬は長期服用に向いておらず、服用中止時期を予め管理して必要があります。
トリプタノール |
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トフラニール |
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アモキサン |
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ルジオミール |
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ルボックス |
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双極型障害
概ね『うつ』又は『そう』症状の何れかが一定期間置いて発症し双方が併存している症状の事を指します。
タイプによって長周期的・短周期的(ラピッドサイクラー:年当たり4回程度『そう』と『うつ』の症状を繰り返す。)に症状変化が発生します。
周期とは別に起伏の大きさによっても双極Ⅰ型障害(そう状態とうつ状態)と双極Ⅱ型障害(軽そう状態とうつ状態)という様に分類されます。
双極Ⅰ型障害ではⅠ型は『そう』と『うつ』状態が特に際立っている為、周囲には比較的判断しやすい症状です。
この状態を以前はそううつ病と呼ばれていました。
しかし罹患者自身にとってはそう状態、うつ状態の判断は出来ません。
そう状態
- ①気分が良すぎて興奮気味。調子自体は良好にも拘わらず怒りっぽい。
他人から見て明らかに普段と比較して別の個性に見える。 - ②根拠や理由もなく突然自分が偉く成った様に感じる。
- ③何時もより雄弁になる。
- ④色々な考えが頭を過る。
- ⑤ひとつの事柄に集中出来ず他の事柄に意識が傾き、往々に注意力が逸れ易い。
- ⑥活動性が高まり一つの場所に留まっておられず、耐えず動き回る。
- ⑦結果的に大変な事に成ると判断出来ても、ギャンブル性の強い商売などに手を出してしまう。
①を含め上記症状が5項目以上有る場合で且つ1週間以上継続されている場合は『そう』状態の可能性が高まります。
軽そう状態
『そう』状態と特徴は略同一であるが人間関係・生活をも犠牲にする程、自制心が働かない訳ではない程度の症状を示します。
周囲の人も大抵の場合、罹患者の変化が解ります。
双極スペクトラム』
現実には上記の様にⅠ型・Ⅱ型が明確に分類できる症状の他に移行期とも取れる不明瞭な状態も存在します。
この移行期にも長・短様々で、紋切的な状態説明では表現し難いのが現実です。
従って今日では双極スペクトラムという考え方で分類されています。
睡眠障害とそううつ
睡眠障害は『そううつ』病との関係は特に有りません。
健康な人でも発症し、そううつ病と併発する場合もあります(『うつ』による過眠/『そう』による不眠は症状の一部で有る為、健康な人の睡眠障害とは根本的に異なります。)。
但し精神疾患の場合は睡眠が不正常であると症状改善にマイナスに成ります。
睡眠障害には不眠症と過眠症に分類されます。
そう状態
寝付きは基本的に良好。
早起きしすぎる傾向有り。
睡眠時間3~4時間程で慢性的に睡眠不足気味。
そう状態の間、罹患者にとっては寝不足を意識していない場合が多く活発に活動する。
うつ状態
寝付きが悪く、睡眠薬を使用しても効き目が無い場合もあります。
睡眠を意識すればするほど焦りが生じて眠れなく成ります。
従ってそう状態同様に早朝に目が覚める(眠れない)場合があります。
日中は疲労感を感じ思考力・食欲の減退の症状が出ます。
睡眠薬
尚、睡眠薬は麻薬と同様に使用頻度によって効果に影響を与え。
医師の指導の元、適切な服用が求められる。
又REM睡眠の時間が増え熟睡時間が減る為、基本的には服用の習慣化は避ける方が望ましい。
『そううつ』病の原因
『そううつ』病の原因は現在の所、不明です。
但し遺伝で有る可能性が他のカテゴリー分類(体質や後天的要素:環境・人格形成(性格)等)より有効な結果に至ります。
例えば一卵性双生児の場合、片方が『そううつ』に罹患すると、他方も罹患するケースが明らかに高い事が知られています。
但しこの場合でも100%では有りません。
体質が『そううつ』気質であってもストレスの少ない環境であったら罹患しない場合もありますが、ストレスが加わると気質の無い人の場合より罹患し易い結果に至ります。
この場合はストレス環境に於けるセロトニン分泌の乱れが影響したと思われます。
又この様に『うつ』状態が際立って生じ、『そう』状態が目立って生じない場合の双極Ⅱ型を専門科でも『うつ病』と診断を下す事があります。
症状が重い場合は入院を勧められる事がありますが基本的に外科的な手術などは無く、基本的には薬物療法です。
生活リズムが乱れている場合の矯正、栄養バランスの食事摂取が主な目的に成ります。
期間を個人差があり1週間程の短期~半年程度の長期まで幅があります。
入院中、気分安定薬の服用により『そううつ症状』が治っても副作用による慢性的なうつ病を患う可能性が高く改めて症状への留意が求められます。
ADHD 注意欠陥多動障害
部屋の性整頓。物事の段取り。優先順位。などを付けられない症状。
又はあちこち目移りして一つに集中し難い症状で、広義では学習障害に分類されます。
双極障害との関係では40~80%の割合で併発します。
他の学習障害(LD 広汎/高機能発達障害)との関係では65~75%で併発します。
以下の症状は主な例示で、即ちADHDとは云えず、他に原因が有る可能性も否定できません。
子供の場合
多動性 | 指定された席に座っていられない。おとなしく余興などで楽しむ事が困難。拘束時間内で過度に私語を語る |
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衝動性 | 質問を最後まで聞かず出し抜けに解答してしまう。順番を守る事が困難。他者のやっている事に横やりを入れる。 |
不注意 | 勉強ではケアレスミスが多い。課題や遊びに集中出来ない。逆に過度に集中し切替えが困難。上の空状態。課題に対して順序を立てた計画的行動が苦手。必要なモノをなくす。忘れっぽい。気が散り易い |
大人の場合
多動性 | そわそわして動き回る。貧乏ゆすりや目的のない所作。家事の途中で他の事に気が取られ時間が余計に必要に成る。 |
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衝動性 | 思った事を直ぐ口にしてしまう。衝動買いの習慣がある。 |
不注意 | 仕事上のケアレスミス。なくし物が多い。約束時間に間に合わない。作業工程を立てられない又は苦手。整理が苦手。 |