心原性脳梗塞

心原性脳梗塞ってなあに?

まず、「心原性」というのは「心臓が原因でなってしまった」という意味。
心臓のなにが原因で脳梗塞になってしまうのかというと、心臓でできてしまった血の塊(血栓)がそこでとどまることなく、全身の血液中をふらふらと運ばれて、ちょうど脳の細い血管のところで詰まってしまったために脳梗塞になってしまったというものを心原性脳梗塞と言います。

脳梗塞全体の中の15%〜20%はこの心臓あたりで発生した血栓が原因でおこったもの。
高齢者になればなるほど、この割合は高くなっています。
しかもほとんどの場合がいきなり、突発性に症状が現れ、広範囲に障害が出てしまうことも多く、重症になりやすいというのが特徴です。
直接脳に原因がなくても脳梗塞は起こる可能性がある、しかも、結構割合が高いということが驚きかもしれません。

心原性脳梗塞になりやすい人ってどんな人?

ではどんな人が心臓あたりに血栓ができてしまいやすいのでしょうか?
大前提として、この脳梗塞が心原性ですよ!と診断できるのは、それ以前に心臓の疾患になったことがある、または心臓の病気をもっている人であるということがあげられます。

ざっくりと「心臓の病気」と言ってしまいました。

具体的にあげると…
不整脈といって脈のリズムがバラバラだったり、不安定だったりする人
心臓の筋肉に血液が運ばれず、心臓が拍動しない心筋梗塞状態の人(ずっと拍動しなかったら死んでしまいますが、一時的にそのような状態になることもあります。)
心臓には一旦送り出した血液が逆流して戻ってこないように「弁」と呼ばれる逆流防止システムがあるのですが、この「弁」が固くなってうまく作動せず、血流が滞ってしまっている弁膜症の人
心臓の手術後に細菌感染をしてしまい、心臓を覆う膜が炎症を起こしてしまっている心内膜炎の人

上記の項目に当てはまる方はリスクが高いと言えます。
いずれにしても、心臓付近で血のめぐりが悪くなるために血栓ができやすい状態になっています。
特に心臓の左側(左心系)は全身に新鮮な血液を運ぶために、左心系で形成された血栓は脳に運ばれやすく、脳梗塞を起こしやすいということも知られています。

まとめ

心原性脳梗塞とは、心臓あたりでできた血栓が血管を運ばれて、脳の細い血管を詰まらせてしまうことで起きる状態のこと。

不整脈、心筋梗塞、弁膜症、心内膜炎といったもともと心臓に疾患があるということが前提となって、心原性に脳梗塞が起こることがあります。

いずれにしても、心臓周辺の血液の流れが滞ってしまうことで血栓ができてしまい、左心系と呼ばれる、全身に血を運ぶルートの中で脳まで運ばれてしまうということが原因になっています。
脳梗塞全体の15%強を占めるため、脳以外の原因で脳梗塞が起こることを知っておきましょう。

人気の記事

サイトリンク

免責事項