緊張型頭痛とパニック障害02

筆者の周辺には、子供の頃から、頭痛持ちはそれなりにいて、急激にやって来る強烈な頭痛と、強烈ではないけれど長く続く頭痛があるのは、経験上知っていました。

急激にやって来るズキズキする痛みが偏頭痛で、長く続く鈍い頭痛を緊張型頭痛と言う知識も、その時を契機に図書館で調べて知りました。

ですが、それから35年経って、知り合いの1人がパニック障害と言う、初めて聞く病気の発作に襲われるのを目の当たりにした時、はるか昔の記憶が蘇りました。

病名こそ初めて聞きましたが、発作の症状は、35年前の名前すら忘れてしまった男子の身の上に起こったものとほぼ同じようなものでした。

幸い、同行者がその手の発作を見慣れている人だったので、ベッドまで運んで落ち着かせました。
その時に初めて「パニック発作」という病名を知った次第です。

そして、男が透明発泡砂糖水を飲みながら、「昼から頭が痛かったんで、やばいなーと思ってたんだが」と言うのです。

同行者が「そういう時は医者からもらったトンプクを飲むんだよ」とウンザリした口調で教え諭していましたが、そのころは、聞く耳持たずと言う表情でした。

別の機会に、その時の同行者に、パニック発作と緊張型頭痛の関係を聞くと、緊張型頭痛はパニック障害の前駆症状になることが多い、との事でした。
無論、同行者は、あくまでも経験則にすぎないことを強調していましたが。

あらためてパニック発作について調べてみると、他人事ながらタダ事ではない精神疾患であることがわかりました。

パニック障害とは

何のきっかけもなく急に胸がドキドキ、息が苦しくなり、めまいや吐き気の発作に襲われ、大量の発汗と言う身体症状が一度に現れたら、どんな人でも「このまま消えてしまうのではないか」「発狂してしまうんじゃないか」などと強い不安感に襲われるのは誰にも止めることはできないでしょう。

そして、パニック発作は単独の疾患ではなく、うつ状態に至る一連の症状の1つの局面であると言う事です。
1連の症状とは次の4つです。
その4つをまとめてパニック障害と言います。

  • (1) パニック発作
  • (2) 予期不安
  • (3) 広場恐怖症
  • (4) うつ状態

(1)パニック発作

パニック発作とは、パニック障害の中心となる症状で、いきなり理由もなく強烈な恐怖感・不安感とともに、以下の13の症状のうち4つ以上の症状が現れる状態です(米国精神医学会発行DSM-5TM, 2013)。
多くの場合、数分~10分でピークに達し、30分前後で収まっています。
パニック発作は、心電図や血圧計・採血などで検査をしても、身体的な異常が見つからないのが特徴です。

ある年齢以上の人間ならば、口をそろえてこのように言うでしょう。

「昔はそんなものはなかった」とか「贅沢病だ」もしくは「怠け病だ」と。

  • (a) 理由がなく、心臓がドキドキする。心拍数が増加する
  • (b) 異常発汗
  • (c) 身震い、手足の震え
  • (d) 呼吸が早くなる、息苦しい
  • (e) 息が詰まる
  • (f) 胸の痛みまたは不快感
  • (g) 吐き気・腹部の不安感
  • (h) めまい・不安定感・頭から血の気が失せる感じ
  • (i) 寒気または火照り
  • (j) しびれ感、うずき感(知覚障害)
  • (k) 現実感喪失、自分が自分でない感じ(自己分離感)
  • (L) 常軌を逸しってしまう、狂ってしまうという恐怖
  • (m) 死の恐怖

※(a) ~(j):身体症状、(k)~(m):精神症状

(2) 予期不安

予期不安とは、パニック発作を繰り返すにつれて発作の経験が頭から離れなくなり、発作がない時でも「また発作が起きたらどうしよう」と、不安に囚われることです。

不安の対象も、発作そのものから、発作を起こしたことがある場所や状況へと拡大してい行きます。

緊張型頭痛とパニック障害03へ続く

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