認知症から統合失調症になる人もいる

認知症から統合失調症になる人もいます。
認知症というのは、大きな病気です。
昔の事を忘れてしまい、自分の行動も忘れてしまいます。
その壮絶な記憶さえも忘れてしまうので、他者から見れば気楽に生きていると思われるかもしれませんが、本人も苦しんでいます。
その環境から統合失調症の症状が出てくる人もいます。

妄想が悪化して

認知症と統合失調症には共通の症状があります。
それが妄想です。

認知症と統合失調症のどちらの妄想が強いかというと、統合失調症です。
何故ならば、認知症の妄想というのは、後で忘れてしまうからです。
妄想をしていたという現実すらも忘れてしまうのですね。

そう考えると認知症というのは怖いものです。
自分の思考すらも忘れてしまうからです。

ただ、認知症の中にも程度があり、ある程度の記憶力は残っている人もいます。
また、恨みや妬みなどの特定の感情だけは絶対に忘れないなどの特徴を持った認知症である場合もあります。
そういった特定のものが妄想にだけ作用している人もいます。

他の事は全部忘れているのに、妄想だけは残る。

これはかなり悪い状況です。
何故ならば、妄想というのは被害妄想を筆頭にまともな妄想ではない事がほとんどです。
全く意味のない妄想をしている事になります。
そうした状況であるからこそ、妄想が進行していき、そこから統合失調症になってしまう人もいるのです。

統合失調症のもう一つの特徴である幻聴も、認知症になると本当の声と区別がつきません。
幻聴と会話をしている人も多くいます。
介護施設に勤めていると、偶に一人で部屋の中で会話をしているような人を見かけるのですが、認知症から統合失調症になりかけている証拠なのかもしれません。

不眠症がある場合は注意

認知症は、徘徊などがあり、夜中でも徘徊をしている人もいます。

そうした人たちは、認知症であるとともに不眠症であるともいえます。

そうした人たちは統合失調症の可能性があります。

不眠症というのは、本来ならば認知症の症状ではありません。
老衰によって睡眠力が落ち、不眠症になる可能性は誰でもあるとはいえ、不眠症は精神疾患の分類に入ります。

そうした分類であるからこそ、統合失調症の合併症となってしまっている可能性があるのです。

トラウマが増えて、精神的負担増に

認知症になるとそんな風にまでなって生きられて気楽でいいなと思われるかもしれませんが、認知症の人だって苦労はしていますし、トラウマも抱えます。

家族によって介護されている場合は、虐待の可能性もあります。

家族も介護に疲れて、暴力を振るってしまう事はよくある事です。
何故ならば、暴力を振るってもどうせ忘れるだろうと思われているからです。
ばれない犯罪をしない人は限られてきます。
それがストレスで荒んだ状況ならば尚更です。

そして、施設に入れられている場合は、家族に会えない孤独感を抱えています。
施設の中では対立もあり、自分一人きりで生きていかなくてはいけない場面も沢山あります。
孤独感というものは相当なものです。

認知症になるという事は、周りにも迷惑をかけるとともに、自分にも迷惑をかけています。

そのストレスは相当なものです。
そのせいで、トラウマになり、それが精神的負担を増やし、統合失調症になってしまう可能性は十分にあります。

最後に

認知症と統合失調症は関係性があります。
どちらになるかというのは、忘れるか忘れないかの紙一重の問題です。
そうしたものだからこそ、注意して観察する必要があります。

認知症になったからといって決して気楽ではありません。
統合失調症になった人と同じくらい苦しみを抱えています。
まずはそれを理解する事が必要になってくるかと思います。

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