統合失調症のはか型の4つの特徴

統合失調症には、はか型というものがあります。

はかとは16歳のことで、思春期や青年期という事にされています。
そうした時期に発症すると厄介です。
何故ならば、思春期や青年期というのは人格を形成する大事な時期であり、この時期に統合失調症のような精神疾患にかかると、人格そのものに影響してしまう事になります。

そのため、はか型と別物として分類しているのです。

1.解体した思考や行動

はか型の特徴として、解体した思考や行動というものがあります。

これはどういうものかというと、「自分のような人間が枠を奪ってしまっては申し訳ないから受験に失敗しなくてはいけない」といったある意味人間らしいけれども非生産的なようなものから、「自分が生きているのは宇宙人のおかげだ」などという意味不明なものを深層心理に持っていたり、思考が上手くまとまらなくて思考がぐるぐるしたりするというものも解体した思考に当たります。

また、「時計の針がぴったりになったら唾を飲み込まなくてはいけない」といった儀式的な事から、「本を読む時は速読法を使って、指を使わなくてはいけない」などの独自の行動をするものも解体した行動というものになります。

2.幻聴や妄想

これは統合失調症にはよくある症状ですが、はか型の場合、あっても体系的ではないのが特徴です。

統合失調症の場合、幻聴もパターンがあります。
人ごみの中にいると聞こえるなどの場所の指定があったり、幻聴の性質も自分を攻撃してきたりするなどの自分なりの決まったパターンがあるのです。

妄想も、被害妄想の場合、固定した妄想を持っています。
例えば「自分が宇宙人だ」という妄想を持っていた場合、一貫性を持って自分は宇宙人だと思い込みます。
途中で火星人になる事はあっても地底人になる事はありません。

はか型の場合、それが体系的ではなく、不安定です。

幻聴も様々な場所で、妄想も一貫性がありません。

常に変動して不安定です。

治療も困難になる事が多いです。

3.人格荒廃

まず感情の表出が徐々に失われ、無表情になります。
性格が暗いだけではなく、雰囲気も暗いと言われるような人はいますが、そうした状況になります。
表情を上手く浮かべる事ができなくなるのです。

そして、自発的行動も徐々に失われます。
自分から何かをしようという意思は、人として生きていくのに必要なものです。
それが失われると、迎合的な性格になり、何事にも無関心になります。

最終的には人格が崩壊してしまう可能性もあります。

4.はか型は危険

はか型は人格に大きく影響をしてきます。
思春期や青年期は人間としての人格を作る大事な時期です。
思春期や青年期に何をしたかでその後の人生が大きく変わってきます。
そうした時期に何もできずに人格が崩れていくような統合失調症の症状が加わってしまうと、大変危険です。
その後の人生に大きく影響します。

普通の人ならば思春期に恋愛などを体験し、青年期に自立などを体験します。
しかし、それが病気でまともにできず、その後の人生において恋愛や自立といったような普通の人が持ち合わせているような能力が失われてしまう可能性があるのです。

はか型の特徴は、その時におきている統合失調症の症状よりも、未来に起きるだろう人格の構成への失敗が大きく出ていく事です。

さいごに…

統合失調症のはか型は、普通の統合失調症よりも様々な面で大きな影響を与えます。
そうした強力なものであるからこそ、早期発見、早期治療が求められるのです。
まずは安心できる環境を手に入れる事が必要で、病院などへ入院する事も視野に入れておいた方がいいでしょう。

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