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統合失調症の典型的な進行の流れは<前兆期>⇒<急性期>⇒<休息期>⇒<回復期>

統合失調症の典型的な進行の流れは<前兆期>⇒<急性期>⇒<休息期>⇒<回復期>(<前駆期>⇒<急性期>⇒<慢性期>とに分類する事もあります。)の順のプロセスを経て寛解へと繋げます。
生身の体である旨断言は出来ませんが通常、完治を希望する事は難しく再発しない様に留意する事が望まれます。

また、周囲や家族が発病と認知するタイミングは大概、<急性期>です。
本人から自発的に診療を希望するケースはむしろ稀なのも特徴です。
潜在的な状態で発病していて、際立った異常が認知されない異常は基本的に放置され、当然患者本人も自覚がありません。
あらゆる疾患は早期治療の機会を失った場合、より症状が進行し場合によっては深刻な状態に置かれます。

しかし統合失調症の場合は寛解するまでのハンディがある程度で、統合失調症のタイプによってはエネルギーが衰えた中年以降の発病の方が心の起伏も乏しく、治療負担が少ないというメリットもあります。
但し即効性の高い電気痙攣治療など手荒な治療は体力面の問題もあり断念しなければ成らない場合もあります。

<回復期>が略終了し寛解した場合でも治療のサポート(抗精神薬の服用)を断つと再発の可能性が否定できません。
神経線維シナプスは誕生~幼児期に掛けて海馬と記憶領野との間に構築され脳内ネットワークを形成されます。
しかしシナプス自体の総量は7歳頃までに完成されます。
体験や学習重など重ねる事で得た優先度の高い情報との間にシナプスが更新されます。
その前後において幼少期に出来た劣後的な領野とリンクされたシナプスはへし折られ、意識下から開放されます。

長期的に緊張状態やストレスに晒されるとドーパミンの他、アドレナリンなど分泌され抗ストレス作用を自立的に促します。
加えて副腎皮質からゴルチゾールが過度に分泌されると海馬が破壊され認知障害の原因に成ります。

進行度 患者の特徴
前駆期 無意味な多動性・抑うつ症状・不安焦燥・集中力低下・軽度の妄想/幻聴
急性期 重度な妄想/幻聴・滅裂(解体)的思考・自発性減退・表情の平板化・不安・自閉・焦燥・興奮など症状の劇的な深度化と多様化
更に進行⇒多重人格(脳内に宿る複数の人格との対話や論争)の様に複雑化。主に陽性症状が主体。
慢性期 感情反応劣化・会話/思考の貧困化 認知機能の低下
外面的に軽度の妄想/幻聴(会話が乏しく自発的に外部への疎通を図る意欲も減退しており内容や激しさは不明)ドーパミンの分泌に抑制され陰性症状が主体。

統合失調症の昏迷『意識障害』

昏迷とは《意識障害》の一症状です。
意識障害とは一般的に人が倒れた状態で声掛けや刺激に対して無反応な状態である事と思い浮べます。

例えば、一直線の道で一切変化に乏しい風景加えて交通量が極めて少ない場合でのドライブでは緊張感はだんだん失い生理的に馴化されて行きます。
眠気を感じてハッとしてハンドルを握り返す事も有るかも知れません。
この場合極、短時間であっても記憶に空白が出来ます。

別のケースとして、興味を惹かない授業や会議では時間経過に伴ってボ~として居眠りする場面があります。
これらの状態は《生理的要求による意識障害》と呼ばれますが、公共交通の運転手や重機オペレータなど本来緊張を余儀なくされる場面に於いて尚、同症状が発生する場合は病気の疑いが在ります(その多くは無呼吸睡眠での質の良くない睡眠などが直接の原因)。

しかし上記の症状は何れも軽度に属する意識障害で改善方法や治療も可能です。
他方、重薦に分類されるケースにも様々な症状展開が予想され、当直医とのコンタクトに齟齬(そご)を来さない為、救急救命士と受入れ病院側とには以下の方式で標準化されています。

救急救命の現場では意識障害の度合いは3-3-9度方式という方法で分類します。

『3-3-9度方式』

例) 軽い状態Ⅰ-1~重い状態Ⅲ-300

Ⅰ分類 外部刺激(声掛けも含む)が無い場合でも意識がる。
1 概ね意識や反応が認められるが、不明瞭な反応を時折観られる。
2 意識はあるが空間や時間的配置に誤りが見られる。
3 意識はあるが、基本情報(氏名・年齢)などの問いかけに反応できない。
Ⅱ分類 外部刺激(声掛けも含む)で意識回復する。反面、刺激が絶たれると昏迷(昏睡)する。
10 呼びかけに応答する。開眼しない場合(応答は出来る。話す言葉に吃音など生ずる。)
20 痛みや強い刺激で意識を戻す。開眼しない場合(簡単な動作要求に答える。)
30 強い刺激を持続的に加えられている間だけ意識がある。
Ⅲ分類 外部刺激からの反応が一切無い。
100 痛み・刺激から手で払う動作など体が反応する以外は反応は皆無。
200 痛み・刺激から指先や足先を動かす反応がある。
300 痛み・刺激からの反応が一切なし。

『意識障害のまとめ』

『意識混濁』上記の症状を(軽度~重度まで)網羅した言葉です。
尚意識障害にはこれとは別に『意識変容』という症状も在ります。
多動性人格障害や妄想性人格障害や統合失調症に於ける陽性症状等々。
正常な意識下での言動や動作から明らかに異なる状態です。
意識変容にも数種の症状部類されています。
その中でも代表例として『せん妄状態』が上げられます。
この症状は誰もいない場所でまるで透明人間と語らっている状態を意味します。

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