統合失調症の経過

統合失調症の経過はどのようになっているのでしょうか? 主に、「前兆期」、「急性期」、「休息期」、「回復期」の四つに分ける事ができます。

1.前兆期

前兆期とは、その名の通り発症の前兆を知らせるものです。
発症する前触れのサインが現れるようになります。

まず眠れなくなるのは、精神疾患では王道です。
眠れなくなるという事は全てにおける精神疾患の前触れであるともいえますが、統合失調症の前触れでもあるのです。

また、物音や光に敏感になります。
太陽の光が極端に眩しいと感じる事もあります。

更には、将来に対する焦りの気持ちが強くなったりします。

これらは普通の人でもよく経験する事です。
誰でも眠れない夜はありますし、周りに敏感になったり、焦りが強くなったりする事もあります。
そのため、本人も周りの人も気づかないケースが多くあります。

この時期で発見できれば、回復期にまで一気にいける事もあります。
まずは早期発見が必要なのです。
この時期に気づければ、ベストですが、難しい部分もあります。

2.急性期

前兆期に続いて現れるのが急性期となります。
第2段階というわけですね。

急性期では、幻覚や妄想、興奮などの陽性症状が目立ちます。
更には不安や緊張感、敏感さが極度に強まります。
様々な感情がごった返しになって最も辛い時期です。

また、幻聴や妄想に襲われて頭の中が混乱します。
勝手に聞こえてくる声を現実の声だと誤認したり、被害妄想を持ったりして、そのせいで周囲とのコミュニケーションがうまくとれなくなります。

急性期は嵐のようなものです。
全てがごちゃごちゃで、色々なものを破壊してしまいます。

この時期に必要なものは、しっかりとした睡眠です。

睡眠薬を使ってでもいいので、まずは安定した睡眠を確保する事です。

そして、精神科の医師のいう事をよく聞く事が必要になってきます。
きちんと処方された薬を飲み、症状を安定させる事だけに集中するようにしてください。

3.休息期

急性期に続いて現れるのが休息期となります。
第3段階です。

この休息期では感情の平板化や意欲の低下がみられます。

感情の起伏がとぼしくなり、無気力で何もしなくなるなどの陰性症状が出てきます。
いつも寝ていたり、引きこもったりする事もあります。

意欲の低下と聞くと安定したものに聞こえるかもしれませんが、休息期でも不安定な精神状態にあり、ちょっとした刺激が誘因となって、急性期に逆戻りしやすくなっています。

休息期には、なるべく刺激を避け、無気力な自分を認める事が必要です。

そして、急性期に戻らないためのメンタル面での基礎作りをしていかなくてはいけません。

4.回復期

休息期に続いて現れるのが回復期となります。
第4段階です。

徐々に症状が治まる最終的な段階です。
この回復期を目指すのが、統合失調症の治療となります。

症状が徐々に治まり、無気力な状態から脱していきます。
何かにつけて、社会に参加する意欲が出てくるようになりますが、この時期には認知機能障害が現れることがあります。
能力面で細かなところが覚えられないなどの症状が出てくるようになります。
それがきっかけで、その後の生活上の障害や社会性の低下へとつながっていく場合もあります。

回復期になったら、まずは自分のできる事を見つけて、自分自身への自信をつけていく事が大切になります。

最後に

統合失調症はこの4つの過程から成り立ちます。

一つ経過していく事に、治療方法も変わってきたりしますので、今、自分が何処の段階にいるのかという事をしっかりと把握しておく必要があります。

把握した上で、お医者さんと相談して、しっかりとした治療を行うようにしてください。
そうすれば、統合失調症を克服できるようになります。

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