うつ病は再発しやすい…その対策

日本うつ病学会の発表による再発の研究成果があります。
うつ病に関しては、差別や偏見により、長いことデータが取れていませんでしたが、徐々にうつ病が認知されていく中で、データが取れてきました。

まずは回復率によるものです。
初診患者の回復率は、1カ月以内に30%は回復されるといわれています。
3カ月以内が50%です。
1年半でも回復しない確率が15%でした。
治療がうまくいけば、3カ月程度で社会復帰できる場合がほとんどです。
これだけみると、うつ病は大したものではないように見えます。
国内の研究では6カ月程度の治療で回復する症例が50%程度であるという見方もされています。
多くのうつ病は比較的短い治療期間で回復します。

ただ、再発率についても高い結果が出ているのです。
1年以内が30%です。
そう、1年で100人いたら30人は再発しているのです。
これは非常に大きな数値です。
つまり、再発率は非常に高くなっています。
5年以内が60%程度です。
また一度回復した後にも、再発しない症例もあれば再発する症例もあります。
また、うつ病が完全に回復する割合は40%に満たないとされています。
しかし、抗うつ剤を強力なものにすると、比較的短期間で80%近くの患者が回復します。

再発しないためにすることは、環境を変えるというものです。
ずっとうつ病を生み出すような環境でいても、せっかくうつ病が治っても、環境によってうつ病へと押し潰されていきます。
環境が変われば、うつ病を変えることができます。
また、人間関係の良いところへ移ることで、うつ病の再発防止になります。
精神的に平和な人間になることは、まずは環境を整えないといけません。
うつ病は、環境因子によるものも大きいのです。
整った環境は、うつ病の再発率を低下させます。
しかし、そういったものを整えるのも難しいでしょう。
そのための努力はしなくてはいけません。

うつ病は簡単に治るものでもあるが、簡単に再発するものでもある。
そう断言するのは危険ですが、一般論として言うことは可能です。
うつ病は一か月以内で30%が回復し、1年以内に30%再発するのです。
その数字はかなりのものです。
うつ病というのは、依存性もあるのです。
再発しないと思っていると、うつ病でいる状態に簡単に戻ってしまいます。

うつ病の再発防止として、啓発本を読んだり、セミナーを受けたりすることは、有効な手段です。
ああいった類のものはセルフマインとコントロールと言えるものです。
それによって、自分に自信を持つことができ、うつ病を再発することができます。
啓発本やセミナーというのは、ただ単に自慢を持つだけではなく、何かに失敗した時の対策なども言っています。
何故ならば、どれだけ「君は成功する」と言ったとしても、「成功しない人」は存在するものです。
そのための保険をしっかりと書いています。
そうした思念はうつ病の予防にも役に立ちます。

また、うつ病の治療薬として最も効果的であるSSRIは3か月飲み続けないと意味がないといわれています。
そのため、回復期間が3か月なのですね。
そして、一気に止めてしまうと、一気に再発してしまうという性質があります。
そのため、SSRIは治ったと思っても飲み続けることで再発を防ぐことができます。
回復したと思っても3か月はそのまま飲み続けた方がいいでしょう。
そうしないとうつ病は直ぐに再発してしまいます。

うつ病は一生のものではありません。
うつ病は心の風邪といわれるように、直ぐにやってきては、直ぐに消えるというイメージを持ったものですが、うつ病は長期化することも考えられます。
うつ病を甘く見ない方がいいですし、しかし、一生そのままの状態が続くというネガティブな考えもしない方が良いです。

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